夏を目の前にして、軽やかで扱いやすい“ショートレイヤーボブ”に注目が集まっている。スタイリングは驚くほど簡単、首元が涼しく感じられるうえに顔型や髪質を選ばず似合いやすい。まさにタイムレスなヘアスタイルだ。90年代のウィノナ・ライダーを思わせるざっくりチョッピーなボブもあれば、自然な動きを強調したソフトな仕上がりもあり、印象を左右するのはレイヤーの入れ方と毛先の質感だ。
「ボブにはブラント、テクスチャード、レイヤードなどいくつかのタイプがありますが、レイヤーを入れることでラフでこなれた質感が生まれます。つまり、レイヤーを工夫すればあらゆる髪質にフィットするのです」と話すのは、ロンドンにある「ブルーティット ポートベロー」共同オーナー兼カラーリスト、カミラ・プルシェックは説明する。
ここからは、プロのスタイリスト陣が2025年夏に映えるショートレイヤーボブの作り方を徹底解説。サロンで具体的に伝えるべきレイヤーの位置や毛量調整のポイント、仕上げに使いたいスタイリング剤まで失敗しないためのアドバイスをお届け!
ショートレイヤーボブとは
名前のとおり、あごライン前後でカットしたボブに細かくレイヤーを散りばめたスタイルのことを指す。髪質によって表情は変わるが、もともと軽い動きが出やすい髪にとくに映える。
「基本はあごと同じか、やや上の位置で長さを切りそろえます。さらに、前髪まわりにやわらかなフェースフレーミングレイヤーを入れるのが特徴です」と教えてくれたのは、「ジョン フリーダ」のクリエイティブスタイリスト兼アンバサダーのアンドレアス・ワイルド。「最大の利点は、レイヤーの入れ方や仕上げを変えるだけで幅広い顔型にフィットさせられること。ただし丸顔やシャープなあごを強調したくない人は、レイヤーをやや長めに残すとバランスが取りやすいですよ」とアドバイスしている。
ショートレイヤーボブはどうカットする?
「レイヤー入りのボブをセルフカットするのはおすすめできません。だからこそ、サロンで“何をどうオーダーするか”を把握しておくことが大切です」と、ワイルド氏。
「あごの位置あたりの長さはしっかり残しつつ、生え際に沿って顔を包み込むようにレイヤーを数本だけ織り込むのが理想的です。毛先付近を必要以上に軽くすると羽根状になって散りやすいので、根元近くのレイヤーは控えめに。短くし過ぎると全体のバランスが崩れる点にも注意してください」
ショートレイヤーボブはどうスタイリングする?
スタイリングは髪本来の質感を活かすのが一番手軽! プルシェック氏はできる限りローメンテで仕上げる方法をすすめている。
「なるべく自然乾燥に任せ、仕上げに弱めのドライヤーの風を当てながら指先で軽く形を整えたり、毛束をくしゃっと揉んで動きを出すくらいで十分です。ブローは最小限にし、スタイリング剤も軽めのクリームやミストを少量なじませる程度が、こなれた質感をつくる近道ですよ」
細毛&ストレート毛のためのひと手間テク
髪が細い、あるいはピンとした直毛の人は、ショートレイヤーボブにもう少しスタイリングの工夫が必要だそう。「ディフューザーで自然なボリュームと動きを引き出す方法がまず一つ」とワイルド氏。「さらに質感を強調したい場合は、ブロードライ後にストレートアイロンでSのようなウェーブを作ります。またはストレートアイロンでゆるいカールを足すだけでも立体感が加わります」
「仕上げは『ジョン フリーダ』“フリズイーズ シークレットエージェント タッチアップクリーム”を毛先中心にさっとなじませるのがおすすめ。根元をいじり過ぎるとシルエットが古く見えやすく、丸みも強調されるので避けたほうが無難ですね」
Realization : Katie Withington、Translation & Text : Nathalie Lima KONISHI
出典:UK ELLE