古来より女性の健康や美容に役立つ民間療法として親しまれてきた「よもぎ蒸し」。近年はエステサロンでも人気となり、その美容効果に注目が集まっている。ここでは、よもぎ蒸しと子宮のマッサージが受けられるプライベートサロン「美管理spa」のオーナーセラピスト・Kieさんが、よもぎ蒸しについて詳しく解説。編集部がセレクトした、自宅でできるよもぎ蒸しのホームキットや、よもぎ蒸しと併せて取り入れたいケアアイテムもチェックしてみて。
- よもぎ蒸しとは?
- こんな人におすすめ!よもぎ蒸しの効果
- よもぎ蒸しを避けるべき人は?
- よもぎ蒸しを受ける際の注意点
- 都内でよもぎ蒸しを体験できるおすすめサロン
- よもぎ蒸しとあわせて使いたいセルフケアアイテム
- よもぎ蒸しに関するよくある疑問
- まとめ
Kie:子宮と膣に特化したセラピスト。子宮のマッサージとよもぎ蒸しが受けられる、人気プライベートサロン「美管理spa」(東京・代官山)のオーナーセラピスト。セラピスト歴は15年、これまで1万人以上のお客様を施術。(Instagram @bikanrispa_ponnyo)
よもぎ蒸しとは?
妊活やデトックス目的など、体を温める美容法として人気の「よもぎ蒸し」。その歴史は古く、約600年前の韓国で、産後ケアの民間療法として始まったものだそう。
「子宮をあたためることで悪露(おろ)を出し、出産後の身体を早くもとに戻すための民間療法として始まったのがよもぎ蒸しの発祥です」(Kieさん)
似たような民間療法はアジア全体で見られ、浴槽などにお湯を張って下腹部を温めたり、下半身にハーブの蒸気を当てたりすることで、デリケートゾーンを浄化する習慣は、アジア全体に古くから伝わる伝統的な民間療法なのだそう。
よもぎ蒸しのやり方
漢方を煮出した蒸気を膣に当て、身体を内側から温めていくのがよもぎ蒸しの基本。穴の開いた椅子に、あぐらや体育座りで座り、膣まわりにふんわりと蒸気を当てていく。「心地よく入れる温度で、20〜30分行うのがおすすめです」
よもぎ蒸しはどこでできる?
よもぎ蒸しは、エステサロンや鍼灸院などで受けるか、自宅でセルフで行うのが一般的。完全個室で行うところもあれば、カーテンなどで仕切られた半個室で行うところも。
こんな人におすすめ!よもぎ蒸しの効果
冷え性の人
よもぎ蒸しは、体を芯から温め、血行を促進する効果がある。そのため冷え性の人や、体温を上げたい人におすすめ。
「自覚がなくても、体が冷えている人は意外と多くいます。よもぎ蒸しで温めることで、1回でも身体の変化を感じられることがあります」
生理痛やPMSにお悩みの人
子宮を温めることを目的としたよもぎ蒸しは、生理痛やPMS、生理不順など、婦人科系のお悩みをお持ちの方にもおすすめ。
胃腸のトラブルにお悩みの人
下半身を中心に内臓を温めるため、胃腸のトラブルにもアプローチ。下痢や便秘でお悩みの方は、検討してみる価値あり。
「生理痛やPMSのイライラが辛くて来られたお客様が、その症状が緩和して、さらに便秘や下痢などの症状が治った、とご報告をいただいたこともあります」
美肌効果を求める人
よもぎ蒸しは、血行促進やデトックス効果によって、美肌効果も期待できる。「肌や髪に、内側から輝くような自然なツヤを出したい人にもおすすめです」
妊活中の人
よもぎ蒸しは、子宮や卵巣を温めることで、妊娠しやすい体作りに役立つと言われている。
「何年も妊活して子供ができなかったのに、サロンに来てよもぎ蒸しを体験された後、妊娠されたお客様がいました。身体的な作用だけでなく、『妊娠できる気がする』と思うことは、体にも変化をもたらすのだと思います」
ただし妊活中は、よもぎ蒸しをするタイミングが重要に。生理後〜排卵日前までの間によもぎ蒸しを受けるようにして(詳しい説明は以下)。
よもぎ蒸しを避けるべき人は?
妊娠中は安定期に入ってから
妊娠初期はよもぎ蒸しを避けるべき。Kieさんのサロンでは、安定期以降は“マタニティブレンド”でよもぎ蒸しを行うことができる。妊娠中は、担当医師に相談しながら施術を受けて。
生理中は“終わりかけ”から
もともと生理中は大丈夫とされているものの、よもぎ蒸しによって血行が促進されることで経血量が増え、貧血の症状が出てしまう場合も。「経血量は人それぞれ。体調のためにも、生理の終わりかけ、5日目くらいから行うのがおすすめです」
産後はよもぎ蒸しをしてOK
もともと産後ケアとして使われてきたよもぎ蒸しは、産後に行ってもちろんOK。ただし、産後の回復は人ぞれぞれのため、担当医師に相談しながら行うようにして。
妊活中の場合はタイミングに注意
妊活中にも人気のよもぎ蒸しだけれど、その場合はタイミングに注意。「妊活中の場合は、生理が終わってから、排卵日前までに行いましょう。妊活によい漢方でも、妊娠するとよくない成分が入っていることもあります」
よもぎ蒸しを受ける際の注意点
注意点1.水分補給をしっかり
汗をかくよもぎ蒸しには、水分補給は必須。常温以上の飲み物がおすすめ。緑茶やコーヒーなどカフェインが含まれるものは脱水を引き起こすおそれがあるため、カフェインを含まないお水やハーブティーを選んで。
注意点2.食事の前後2時間はあける
効果を最大限に引き出すために、食事は施術の前後2時間以上あけることが推奨。食後すぐによもぎ蒸しを行うと、消化不良を起こしたり、満腹感や胃もたれなどの不快感から、リラックスできなくなってしまう可能性も。
注意点3.施術後の食事は消化によいものを
施術後は全身の血行が促進されることで、吸収がよくなるため、野菜スープなど消化にいい食べ物を選ぶのがおすすめ。一見、ヘルシーに見えても、消化に時間のかかる生野菜サラダや玄米などは要注意。「胃腸にやさしいものを食べると、翌日の排便のすっきり具合もだいぶ変わりますよ」。
飲酒も避けるのがベター。どうしても飲みたい場合には、お酒と同量以上のお水を飲むことも忘れずに。
注意点4.当日はシャンプー・ボディソープを避ける
「よもぎ蒸しをしたあとに、お風呂に入るのはもったいない」とKieさん。「よもぎ蒸しをしたあとに出る汗には、美容液効果があるので、タオルでさっと拭いて、そのまま寝ていただくのがおすすめです」。
日中によもぎ蒸しを行った場合など、そのままベッドに直行するのが難しい場合には、夜は軽いシャワーで済ませて、シャンプーやボディソープなどは使わないのがKieさんのおすすめ。
注意点5.塩分やミネラルも補給する
汗をかくことで、体内の塩分やミネラルが失われる可能性があるため、よもぎ蒸し前には塩分の補給も忘れずに。「梅干しを食べたり、上質なお塩を舐めてからよもぎ蒸しをするのもおすすめです」。
注意点6.入る時間は30分前後
「心地よく20〜30分入り続けられる温度で行うのがベストです」。自宅で行う場合も、無理に長く入りすぎず、30分前後を目安にするのがおすすめ。
注意点7.心地よい状態をキープする
気持ちよいと感じられる温度で行うのがマスト。無理に頑張りすぎるのは逆効果で、サウナのように顔が真っ赤になったり、汗がだらだら出るほどまで行うのはNG。
「同じ温度でも人によって感じ方が違ったり、当日の体調によっても変わります。サロンでは一人ひとりに合わせて心地良い温度に調整しますが、自宅で行う場合には、無理をしないよう気をつけてください」
注意点8.ゆっくりよもぎ蒸しをする時間をつくる
忙しくバタバタとしないこともポイント。「気持ちよく身体や子宮を温めて、自分をケアしてあげる部分に重きを置いてほしいと思います」。
注意点9.体調をみて無理をしない
その日の体調や気分を無視しないことも重要。「体調があまり優れないときや疲れているときには、無理して頑張ろうとせず、お休みをしましょう。毎日自分の体調をみて、無理のない範囲で楽しく続けることで効果もより出やすくなりますよ」。
都内でよもぎ蒸しを体験できるおすすめサロン
「美管理spa本店」
本記事監修のKieさんが運営する、子宮と膣のメンテナンスに特化した個人サロン。完全プライベートな空間で、よもぎ蒸しと子宮のマッサージを受けることができる。一人ひとりの体質やその日の体調に沿った韓方ブレンドと独自のハンドテクニックで自律神経を整える“PONNYO(福女)”を組み合わせたオーダーメイドの施術が特徴。東京・世田谷区と、北海道・網走に2店舗あり。
- 住所:東京都世田谷区上用賀2-3-1-604
- 公式URL:https://www.bikanrispa.com/
- Instagram:@bikanrispa_ponnyo
「Mushiya」
“立ち寄り蒸し屋”がコンセプト。会社帰りや、ちょっとしたすきま時間に、いつでも気軽に立ち寄れるよもぎ蒸し専用サロン。お悩みに合わせて常時8種のこだわりのブレンドを用意。黄土を使った蒸し窯で、電気窯とはひと味違う、じんわりと芯から温まる感覚を楽しんで。男性用のMen's Dayも開催。
- 住所:東京都渋谷区恵比寿西1-17-1 えびす第一ビル8階
- 公式URL:https://mushiya.salon/
- Instagram:@mushiya_salon
「楽座や(日本橋本店)」
創業19年の、よもぎ蒸しとゲルマニウム温浴の専門サロン。通いやすい価格と適度な距離感の接客で、気軽に通えると人気。よもぎ蒸しには、国内大手製薬会社の農薬検査や重金属・微生物検査をし、局方基準をクリアした生薬を使用。日本橋、渋谷、新宿、池袋と都内に4店舗あり。
- 住所:東京都中央区日本橋3-8-3 SAKURAビル5階
- 公式URL:https://rakuzaya.com/
- Instagram:@rakuzaya.nihonbashi
よもぎ蒸しと併せて使いたいセルフケアアイテム
デリケートゾーンの保湿
「よもぎ蒸しの後に、デリケートゾーン用のオイルを使うと、浸透が良くなるのでおすすめです。大陰唇に元気がない人は、 よもぎ蒸しの後にオイルを塗ると、保湿されてふっくらとしますよ。私はデリケートゾーンやそけい部、お尻まわりなどに塗っています」
「bikanri」Ochitsu healing oil
Kieさんプロデュースのデリケートゾーンケアオイル。低温で圧搾されるセサミオイルはビタミンやミネラルがたっぷり。添加物不使用のため、刺激を受けやすい部位にも気持ちよく塗ることができる。フレッシュな状態を保つため、開封後6カ月以内にご使用を。
「ワフィト」インティメイト オイル
植物性スクワラン、マカデミア、ホホバ、グレープシード、アンズ、アルガン、月見草、ダイズまで、厳選された8種類のオイルを独自にブレンド。ハリ不足や乾燥しやすいデリケートゾーンに、しっとりとしたうるおいを与え、ふっくらとした肌を目指すデリケートゾーン専用オイル。
「ヒナレア」インティメイトオイル
椿オイルやククイナッツオイル、タマヌオイルを配合し、うるおいのある柔軟なお肌に導くインティメイトオイル。国際的なオーガニック認証基準であるCOSMOS Standardに基づき、厳選された原料を使用。
足の温めアイテム
「くるぶしには子宮や卵巣の反射区が、かかとには骨盤の反射区があり、足首まわりを温温めるのもおすすめです。私は一年中レッグウォーマーを履いて過ごしています」
「bikanri」PONNYO leg warmer2023 セクシャルバイオレットNO.2
天然素材で染め上げた、kieさんプロデュースのレッグウォーマー。肌にあたる内側はシルク、外側はコットンの二重編みで、ほどよい着圧感と保温性がポイント。
「ネテネ」アンクルウォーマー ナチュラル
季節を問わず、一年中履ける薄手のアンクルウォーマー。お出かけの時や新幹線や飛行機などに、さっと履ける手軽さも魅力。自宅で洗濯ができるのでお手入れも簡単。
「プリスティン」リネンウォーマー グレー
腕にも足にも着用できる、2Wayウォーマー。優しい肌触りのオーガニックコットンと、さらりとしたリネンを交えたマテリアル。腕や足元の日焼け対策や肌寒い日のプラスワンとして、春夏に重宝するアイテム。
天然素材の布ナプキン
「生理中は布ナプキンを使用してあげるのも、デリケートゾーンを冷やさないためにおすすめの方法です」
「プリスティン」布ナプキン羽付き大2枚セット
洗濯して繰り返し使用できる、防水シート入りのサニタリーパット。ひょうたん型の大サイズで、羽つきの2枚セット。パッドの羽はスナップ付きで、紙ナプキンの要領でいつものショーツに固定して利用できる。
「ベア」シルクナプキン 2枚セット
漏れやかぶれの悩みをターゲットに、肌に直接触れる部分にはシルク100%のサテン生地を使用。安心の7層構造。洗って乾かす間にもシミが気になりにくい、黒色の生地。
「アロマティック」ayame 布ナプキン(エコナップR)レギュラー
気分を明るくしてくれるような、アヤメの花模様が目を惹く「ayame」のエコナップ®布ナプキン。オリジナル構造のキルトパッドは透湿性に優れ、パッドの周囲はお肌に優しいコットンを使用しており、ムレや肌かぶれが不安な方にもおすすめ。
よもぎ蒸しに関するよくある疑問
Q1.よもぎ蒸しのベストな頻度は?
サロンでよもぎ蒸しを受ける場合、Kieさんが推奨するのは月に1回、4カ月間続けること。
「血液は大体4カ月で全て入れ替わると言われています。血液の入れ替わりを目標に、4カ月間、月に1回は定期的に施術を受けるのがおすすめです」
自宅で行う場合は、生理中などをのぞき、毎日行ってもOK。ただし先述したとおり、妊活中の方は排卵日以降はお休みを。
Q2.よもぎ蒸しをするベストな時間帯は?
Kieさんいわく、時間帯にとくに制限はないそう。ただし、寝る直前は避けて。
「寝る直前に身体を温めすぎると、睡眠の質に影響する可能性があるので、あまり夜遅くならないうちに入るのがおすすめです」
Q3.汗が出るほど効果がある?
漢方の蒸気を体内に入れて、身体の内側から温めるのがよもぎ蒸し本来の目的。サウナに入ったときのように、顔が真っ赤になったり、汗がだらだらと出る状態は逆効果になることも。
「顔が真っ赤になるまで汗をかいている状態は、実は身体が『危ない』と思って、身体を冷やそうとしているサイン。 汗を出して体温を下げようとする作用が働き、冷えにつながる可能性があります」
Q4.施術後の過ごし方は?
施術後は“体が求める通りにしてほしい”というのがKieさんのおすすめ。
「施術後に眠くなったら、身体が休息を求めているサイン。昼寝や仮眠をおすすめしています。施術後に全然お腹が空かないという人もいます。それはきっと内臓を休めてというサインなので、無理に食べなくてもいいんです」
Q5.副反応はある?
よもぎ蒸しの施術後には、体のだるさや痛みなどの副反応が出ることも。
「よもぎ蒸しによって体が温まることで、体内の滞りや悪い部分が反応して出てくる場合があります。 それは慢性的な不調の原因かもしれないと、素直に受け止めることをおすすめしています」
Q6.男性もよもぎ蒸しを受けられる?
男性もよもぎ蒸しを受けてOK。サロンの中には男性も施術OKだったり、男性のみの“男性デー”を設けているところもあるそう。
「痔やED、冷え性、便秘や下痢でお悩みの方におすすめです。男性の場合はお尻の穴から蒸気を入れます」
男性でも冷え性で悩む人は意外と多いそう。男性でトリートメントやよもぎ蒸しをご希望の方は、Kieさんのプロデュースの代々木上原「韓spa」にて施術を受けることができるのでぜひ問い合わせてみて。
まとめ
「デリケートゾーンをケアすることは、自分を大切にすることへの第一歩。完璧を目指すのではなく、『心地よい』と感じられるケアを楽しく続けていくことが重要です」
よもぎ蒸しは、体のケアから心のケアにもつながるもの。始めることで、生理や妊活だけでなく、更年期の不調を和らげることにもつながるそう。楽しく続けられる、自分に合った方法を探してみて。