2025年6月24日から3日間にわたってヴェネツィアで行われる予定のジェフ・ベゾスとローレン・サンチェスの結婚式。世界中からセレブが集まるド派手な挙式は、ロイヤル・ウエディング並みの注目度だが、その前にふたりには済ませておかなければならないことが。人気長寿連載セレブウォッチャーPeachesがチェック!
ジェフ・ベゾスの再婚相手はTVリポーター兼実業家ローレン・サンチェス。2年前にプロポーズしたパートナーと、ここにきてついに再婚&挙式が叶うことになった。これほど挙式まで待った理由はずばり、複雑な婚前契約の締結に時間がかかったからだと推測されている。
婚前契約書にサインすることは、富豪やセレブの結婚には欠かせない。将来離婚となった場合に互いの財産をどのように分割するかをスムーズに進めるのが目的だ。世界第3位の富豪であるベゾスにとっては守るべきものが多く、最初の結婚でしでかした失敗を繰り返すことはできないのだ。
その失敗とは、最初の結婚の際に婚前契約を結ばなかったこと。まだAmazonを起業する前、ニューヨークのヘッジファンドに勤務していたベゾスは同僚のマッケンジー・スコットと結婚。もちろん分割する資産などもない若いカップルは婚前契約など結んでおらず、結婚生活25年目に離婚となった際にはベゾスはマッケンジーに会社の4%の株(推定約380億ドル(約5兆4441億円)を譲渡しなくてはならなかった。
そしてこのマッケンジーとの離婚のきっかけとなったのが、今回結婚するローレン・サンチェスとの浮気なので、世界で最も高額な離婚慰謝料となったのは仕方なし? マッケンジーはベゾスを起業から支え続け、Amazonが世界有数の企業となる助けをしてきたのだ。
一方、浮気相手だったローレンにベタ惚れのベゾスは、2023年に5億ドル(約716億円)のスーパーヨットで彼女にプロポーズ。一刻も早く結婚したがっていたベゾスだが、冷徹なビジネスマンでもある彼が情熱に任せてリスクを冒すわけはなかった。30カラットのダイヤモンド指輪(約3.6億円)を贈って婚約が整うと、ベゾスはお抱え弁護士からなる鉄板の婚前契約書作成チームを招集。婚前契約を結ぶセレブの多くが挙式の半年前には書類にサインしているというが、ベゾス&ローレンはまだサインしていないという噂も。
関係者によると、推定資産は2230億ドル(約31兆9226億円)のベゾスは巨額の財産に関しては一切の妥協を許さない構えだという。婚前契約には、資産の評価と開示義務、法的交渉、そして慎重な書類作成が必要だ。特にベゾスのような大富豪が所有する資産が対象となる契約は、作成と締結までに数ヶ月かかるはずだ。ある意味では企業合併にも似た手順を踏むのだろう。具体的にはベゾスのすべての事業資産と所有権を明確に列挙し、これらを個人財産とみなす旨を明記した書類にローレンがサインすることになる。資産を明らかにするのは簡単そうに思えるが、実際は非常に複雑だ。
まず婚前契約は、ベゾスの資産が存在する可能性のあるすべての法域の法律に準拠する必要がある。もしもふたりが離婚となった場合、裁判で決定した事項を資産が存在する国で執行可能であることが求められる。さらにベゾスの個人投資、所有する不動産物件、コーポレート・ガバナンスの複雑さを考慮した上で、最大限の機密性とプライバシーを確保するという保護策を構築するという課題が立ち塞がる。アメリカ国内だけでなく、ベゾスが相当の資産を所有する国でも婚前契約を結ぶ必要があるというから驚きだ。
将来的に破局となった場合に「資産を隠していた」などと申し立てられてドロ沼法廷闘争に持ち込まれないよう透明性と公平性を記する必要がある上、セレブであるふたりの場合は特に秘密保持条約や非中傷条項も含まれる。また、ベゾスとローレンにはそれぞれ前パートナーとの間に子どもがいるため、資産相続人についても考慮する必要がある。
資産が圧倒的に少ないローレンが受身的にサインする形だが、膨大な資料を読み込み、弁護士と相談するための時間は当然、与えらなくてはならない。なんなら、ローレンを愛するベゾスが凄腕の弁護士をつけた可能性もある。資産の評価や開示義務、法的交渉、そして慎重な草案作成が含まれ、高額な弁護士やファイナンシャルアドバイザーが大勢、昼夜を問わず働いた結果、ふたりは6月のベニス婚を決めたと思われる。ふたりの婚前契約書の一部を見たと主張するカリフォルニア州の弁護士アルフォンス・プロビンツィアーノ氏によると、大規模な企業合併に匹敵する強固さで、どのような意義を唱えられても法的に耐えうるよう作られているという。
とはいえ、財産分与や離婚慰謝料を含めて、ベゾス&ローレンの婚前契約に関する公式な詳細は非公表となるだろう。多くの弁護士やセレブの離婚に詳しい人が財産分与の指標としているのが、ベゾスがローレンに贈った婚約指輪の価値だ。「ロフィシェルUSA」によると、推定250万ドル(約3億5800万円)相当とされているダイヤモンド指輪を受け取ったローレンは、ベゾスともしも離婚となった場合は、婚姻期間1年ごとに100万ドル(約1億4300万円)を受け取る可能性があるという。
これはマイケル・ダグラスと結婚したキャサリン・ゼタ=ジョーンズが「もしも離婚となった場合、婚姻期間1年ごとに150万ドル(約2億1500万円)を受け取る」という婚前契約と似ているが、総資産がダグラス以上のベゾスだから、たったの100万ドルではローレンは満足しないはず。きっともっと大きい数字が記されているはずだが、挙式を前にしたふたりは今、婚前契約を使うような状況にならないことを願っているだろう。