thailand's king maha vajiralongkorn and queen suthida greet royalists
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パッチャラキッティヤパー王女(Princess Bajrakitiyabha)

2022年から昏睡状態が続いている、タイのラーマ10世国王の長女であるパッチャラキッティヤパー王女。2022年12月、44歳のとき、競技会に向けて愛犬を訓練中に意識を失い病院に搬送された。王室は心臓疾患が原因だと説明していた。王女の意識は今も戻らないが、病状についてタイ王室が珍しくコメントした。王室が王女に関する情報を正式に発表するのは2年ぶり。

王室によると王女は血液感染症を発症。腎機能が衰えているため、集中治療や透析などによる治療が必要であるという。「医師団は王女の肺と腎臓は医療機器と薬剤のサポートにより機能していると報告している」とコメント、8月初めに「医師団は血液に重度の感染症を発見し、血圧を安定させるために抗生物質と血圧を刺激する薬剤を投与した」と説明している。王女は今も人工呼吸器をつけているという。

her royal highness princess bajrakitiyabha join a procession...
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病に倒れるまで、王女は優秀で活動的なロイヤルレディとして知られていた。雑誌『ハロー!』によるとシカゴ大学で法学の博士号と国際関係学の学位を取得。卒業後はオーストリア大使を務めていた。国連でも活躍し、受刑中の女性たちの権利を守る活動に尽力していた。

将来はタイの女王になる身だった王女。昏睡状態が続いていることから、国内では国王の後継者問題にも注目が集まっているが、父で現国王のラーマ10世はまだ正式に決定していない。国王には7人の子どもがいるが、そのうち5人は離婚した2人目の妻との間に生まれている。国王は離婚時にその5人の親権を放棄しているので、王位を継承する権利を持っているのは最初の妻との間に生まれたパッチャラキッティヤパー王女と、3人目の妻との間にもうけたティパンコーンラッサミチョト王子。王女が王位を継承できない場合、この王子が継ぐ可能性が高いと見られている。