6月27日よりついに第3シーズンが配信された、Netflixドラマ『イカゲーム』。このシーズン3は“最終章”と銘打たれていたものの、最終回が今後のさらなるシリーズに繋がる余地を残していたことから、スピンオフに対する期待が高まっているようだ――。
本作の脚本と監督を務めたファン・ドンヒョクは先日、『The Korea Times』のインタビューで、今後のシリーズの可能性について、含みを持たせた回答をしている。
「スピンオフのアイデアについて、考えたことはあります。製作中に、私自身が興味を抱いた瞬間はしばしばありました」「シーズン3を視聴した後、シーズン4に続く余地があると感じる人もいれば、もう続きは必要ないと感じる人もいるでしょう」
また、他のインタビューで監督は、もしスピンオフの製作が正式に決まった場合、すでにその構想があるとも話している。
2025年のゴッサム・テレビジョン・アワードで彼は、「もしスピンオフを作るとしたら、シーズン1とシーズン2の間のストーリーになるでしょう。1と2の間には、3年の空白がありました。その間、彼らが何をしていたのかを描きたいのです」と明かしている。
なお、ロンドンで行われた記者会見でドンヒョク監督は、シーズン3のエンディングに対する迷いを語ったが、その不安はキャストたちから寄せられた賛辞によって払拭されたようだ。
主人公ソン・ギフン(456番)役のイ・ジョンジェは、こう述べている――「監督の決断に、私は強い意志を感じました」「彼は、心の中の多くの葛藤や議論を経てその決断に至ったのでしょう。ご存じのとおり、このシリーズは非常に大きな成功を収めています。そんな大きな物語を、脚本家として、監督として、そしてクリエイターとして、どう締めくくるのか? 特に、ギフンのようなキャラクターをどこへ導くのか?」
「また私は、監督が他の人々のアイデアにもたくさん耳を傾けていたことを知っています。キャスト同士でも話し合いましたし、彼は私やスタッフとも意見を交わしていました。でも私は、監督が導き出した結末は、最も適切で、最も予想外で、最も意味深く、そして最も興味深く、エンターテインメントとしても最高のものだったと信じています」
「ですから個人的には、私はこのフィナーレに満足しています。物語がどんな結末を迎えるのか、みなさんももうすぐ目にすることになります。でも、ひとつだけ保証できます――それは、皆さんの予想とは異なるということです」
もともと『イカゲーム』は、第1シーズンだけで終わっていてもまったく不思議ではなかった。実際のところ、ドンヒョク監督自身もそう望んでいたのだ。
「シーズン2を作るつもりはまったくありませんでした。脚本、プロダクション、監督のすべてが非常に厄介だったからです。もう一度やってみようとは思えませんでした」と彼は『バラエティ』誌に語っている(監督は、過度のストレスにより歯を数本失ったとも報じられている)。
だが、回り続けるハリウッドビジネスの歯車により、Netflixはドンヒョク監督から続編を1本どころか、さらにもう1本引き出すことになった。
なお、ドンヒョク監督が『イカゲーム』の構想を生み出したのは、さかのぼること15年前。AP通信によると、当初は2時間の映画として考えていたものの、結局世に出ることはなかったという。その後彼は企画をNetflixに持ち込み、ドラマとして大成功を収めることになった。
長い歳月を経てこの物語を完結させられたことは、きっと大きな達成感をもたらしたに違いない。監督はAP通信に対し、こう語っている。
「諦めないことが大切だと学びました。何かを愛し、創り出したいと願うなら、今はうまくいかなくても、いずれそのときが来るかもしれません。あるいは、そのアイデアが別の何かを生み出すインスピレーションとなることもあります」
Netflixシリーズ『イカゲーム』は、現在配信中。
From ELLE UK