あの巨匠が監督？“アメリカ版”『イカゲーム』について今わかっていること

上述のとおり、『デッドライン』は2024年に、すでにフィンチャー監督が英語版イカゲームを手がけると報じていた。

フィンチャーが監督を務めた映画には、『ゴーン・ガール』『ドラゴン・タトゥーの女』『ソーシャル・ネットワーク』『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『ファイトクラブ』『セブン』などがあるが、なかでもアメリカで1997年（日本では翌年）に公開されたマイケル・ダグラスとショーン・ペン主演の『ゲーム』は、暗いテーマとトーンに、『イカゲーム』との類似性があるとされている。つまり、フィンチャー監督はアメリカ版の制作に最も適任だといわれている。

そのほか『プレイリスト』は、ドラマ『ユートピア～悪のウイルス～』の脚本で知られるデニス・ケリーが、英語版の脚本を手がける可能性があると伝えている。

ちなみに、Netflixはドラマの『イカゲーム』に着想を得たリアリティゲーム番組、『イカゲーム：ザ・チャレンジ』を2023年11月から配信しているが、このシリーズも、シーズン2の制作が決定している。

ドラマ『イカゲーム』のファン・ドンヒョク監督は以前、『ザ・ラップ』に対し、「シーズン3で終わりにはならない」と認めている。また、『イカゲーム』の主人公、ソン・ギフンを演じるイ・ジョンジェは『コンプレックス』とのインタビューで、アメリカ版の制作を「とても楽しみにしている。待ちきれないよ」と興奮気味に語っている。

複数の筋からの情報によれば、「アメリカ版」はまったく新しい内容になるわけではなく、韓国版シリーズと同じ世界が舞台になるとのこと。つまり、アメリカで暮らす生活に困窮した456人が秘密の場所で、人生を変えるような大金を勝ち取るため、命がけで一連のゲームに挑むという。

それらのゲームが、これまでのシリーズと同じになるのかどうか、今のところは不明。だが、緊迫したなかで繰り広げられるドラマや激しい競い合いに加え、さらに緊張感を高めるような“アメリカらしい”ひねりが加えられることになると予想される。

アメリカ版の制作が決定的だとファンたちに確信させたのは、『イカゲーム』のシーズン3にケイト・ブランシェットがカメオ出演していること。

イ・ビョンホンが演じる「フロントマン」はラストシーンで、LAのダウンタウンを車で走っている。信号待ちで止まっていると、「めんこ」で遊んでいるような音が聞こえ、窓の外を見ると、そこにはスーツ姿でめんこをプレイする、スカウトマン（リクルーター）らしきケイトと、ホームレスのような身なりの男性がいる。

そのシーンにケイトを起用した理由について、ファン監督は次のように話している。

「リクルーターの女性がいれば、よりドラマチックで、より興味深くなると思ったのです」「わずか一言か二言を発しただけで、スクリーンを支配できる人が必要でした。彼女はまさに、それを実現してくれました」

ケイトがアメリカ版に出演するのかどうか、まだ実際のところは明らかにされていない。だが、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ホビット』シリーズ、『ブラックバッグ』などにも出演しているケイトがキャストに加われば、さらに楽しみが増えることは間違いない……！

『イカゲーム』シーズン1～3は、Netflixで配信中。