今年のGWは、4月29日〜5月6日までで最大11連休も可能。長期休みは、インスピレーションを得られる展覧会を巡ってみるのはいかが? 本記事では、GW期間中に開催中の展覧会を10つ厳選して紹介。ぜひスケジュールづくりの参考にして。
ミロ展/東京都美術館(東京・上野)

同じくスペイン出身のピカソと並び、20世紀を代表する巨匠の一人とされるジュアン・ミロ。太陽や星、月など自然の中の形を記号的にとらえた、詩情あふれる独特の画風は、日本でも高い人気を誇り、没後40年を迎えた現在もミロの作品は世界的に評価されている。
現在、東京都美術館で開催中の『ミロ展』は、彼の70年にわたる芸術人生を辿る大回顧展。代表作である《星座》シリーズをはじめ、初期の作品から90歳で描いた晩年の作品まで、各時代を象徴する名作が世界中から集結する。この規模の展覧会は1966年以来。貴重な機会を、ぜひお見逃しなく。
<写真>撮影:山本倫子
会期/~2025年7月6日(日)
会場/東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
開室時間/9:30~17:30、金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
休室日/月曜日、5月7日(水)※ただし、4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開室
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ヒルマ・アフ・クリント展/東京国立近代美術館(東京・竹橋)

2018年、ニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催された回顧展では、同館史上最大となる60万人超の動員を記録。その後も、世界有数の美術館が次々と展覧会を開催し、注目を集める画家ヒルマ・アフ・クリント。彼女は20世紀初頭、ワシリー・カンディンスキーやピート・モンドリアンらに先駆けて抽象絵画を描いていたものの、長らく知られることがなく、没後70年を経てようやく再評価が進んでいる。
現在、東京国立近代美術館で開催中の本展は、ヒルマ・アフ・クリントの画業を網羅的に紹介する待望の展覧会。アジア初の大規模回顧展であり、展示される約140点すべてが日本初公開作品となる。高さ3mを超える10点組の絵画「10の最大物」シリーズをはじめ、彼女が遺した貴重なスケッチやノートも必見だ。
<写真>《10の最大物、 グループⅣ、No.7、成人期》 1907年 ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of The Hilma af Klint Foundation
会期/〜2025年6月15日(日)
会場/東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー(東京都千代田区北の丸公園3-1)
開館時間/10:00〜17:00(金曜日・土曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート /森美術館(東京・六本木)

昨今、私たちの生活に浸透しつつある人工知能(AI)や仮想空間のコンテンツ。現代アートの世界でも、ビデオゲームやAIの発展がアーティストの創造活動に新たな可能性をもたらす一方で、生成AIの影響が無視できない課題として注目されている。
本展は、こうした急速に進化するテクノロジーとともに生み出された現代アートを、美術館というリアルな空間に集結させる画期的な展覧会。会場には、アーティスト自身がアバターとして登場する作品や、迫力あるインスタレーションをはじめ、生成AIとの対話や実際のゲーム操作ができるインタラクティブな作品も多数展示されている。アートとテクノロジーの融合を会場で体感しよう。
会期/~2025年6月8日(日)
会場/森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
開館時間/10:00~22:00(火曜日は17:00まで。ただし4月29日、5月6日は22:00まで。入館は閉館の30分前まで)
休館日/会期中無休
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リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s /国立新美術館(東京・六本木)

いま、私たちが快適に暮らしている住まいは、どのような変遷を辿ってきたのだろうか。その背景には、1920年以降、ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエをはじめとする多くの建築家たちの探求がある。1920年代から1970年代にかけて、彼らが生み出した「モダン・ハウス」は、近代化が進む時代に浮上した普遍的な課題に応え、現代の住宅建築のあり方を決定づける要素となった。
本展では、20世紀の建築家たちによる革新的な試みを、「衛生」「素材」「窓」「キッチン」「調度」「メディア」「ランドスケープ」という7つの視点から再考。傑作14邸を中心に、多角的に住宅建築を紹介する。住宅は、誰にとっても身近な存在。本展を通じて、あらためて「住まい」と向き合うきっかけを見つけてほしい。
<写真>「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」国立新美術館 2025年 展示風景撮影:福永一夫
会期/〜2025年6月30日(月)
会場/国立新美術館 企画展示室1E、2E(東京都港区六本木7-22-2)
開館時間/10:00〜18:00※毎週金・土曜日は〜20:00(入場は〜閉館の30分前)
休館/毎週火曜日※ただし4月29日(火・祝)と5月6日(火・祝)は開館、5月7日(水)は休館
※2階企画展示室2Eの展示はチケット不要で鑑賞可能
デザインあ展neo/TOKYO NODE(東京・虎ノ門)

NHK Eテレで放送中の『デザインあneo』は、身の回りに潜むさまざまなデザインに注目し、その中に込められた工夫や思考を、ユニークな映像と音楽を通じて伝える番組。そのコンセプトを体感できる展覧会として、2013年と2018年~2021年に全国6つの美術館で開催された『デザインあ展』は、累計116万人が来場しが来場し、大きな反響を呼んだ。
3回目となる本展では、新たな作品を加えてさらにパワーアップ。「みる(観察)」「かんがえる(考察)」「つくる・あそぶ(体験)」のステップでデザインに迫る作品をはじめ、360度のスクリーンに映し出された映像や音楽に囲まれる作品など、楽しみながら新たな視点と出合える仕掛けが展開される。子どもはもちろん、大人も楽しめる展覧会なのでぜひ足を運んでみて。
会期/2025年4月18日(金)~9月23日(火・祝)
会場/TOKYO NODE GALLERY A/B/C(東京都港区虎ノ門2-6-2
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45F)
開館時間/10:00~19:00(18:30最終入場)
休館/4月23日(水)および各月第一・第三水曜日は17:00閉館(16:30最終入場)。9月17日(水)は19:00閉館。
西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館 /国立西洋美術館(東京・上野)

通称『どこみる展』では、日本初公開となるサンディエゴ美術館のコレクション49点と、国立西洋美術館のコレクション39点を組み合わせて展示。それぞれをペアや小グループごとに並べることで、比較したり視点を変えながら、600年にわたる西洋美術の歴史や魅力を深掘りしていく。
会場は4つのチャプターで構成され、14~16世紀にヨーロッパ各地へ広がったルネサンス絵画をはじめ、17世紀美術の展開、18世紀の美術をリードしたイタリアとフランスの絵画の展開、そして19世紀絵画における人物表現にも注目。多様な表現のあり方を探りながら、西洋美術の新たな鑑賞のヒントを提案する。これまで西洋美術にあまり触れる機会がなかった人こそ、ぜひ足を運んでみて。
<写真>フアン・サンチェス・コターン《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》 1602年頃、油彩/カンヴァス、 サンディエゴ美術館 Ⓒ The San Diego Museum of Art
会期/〜2025年6月8日(日)
会場/国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)
開館時間/9:30〜17:30(毎週金・土曜日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館/月曜日、5月7日(水)※ただし、5月5日(月・祝)、5月6日(火・休)は開館
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「どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?」 /PLAY! MUSEUM(東京・立川)

「絵とことば」をテーマに、子どもから大人まで楽しめる展覧会を開催してきたPLAY! MUSEUMが、オープン5周年を記念して国立科学博物館とコラボレーション。本展では、2021年に国立科学博物館が巡回展「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」のために制作した展示キットを活用し、世界屈指の動物標本コレクションや貴重な資料を展示。アーティストも参加し、PLAY! MUSEUMらしい体験型の仕掛けを用意する。
会場には、「笑顔の森」「模様の惑星」「しっぽはすごい」など、5つのテーマをもつ体験型インスタレーションが出現。加えて、名和晃平、ミロコマチコ9人の現代アーティストの作品も登場。ふたつの施設の特性が融合した、これまでにない展示。動物への興味と想像力を膨らませよう。
<写真>2022年 国立科学博物館「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」展示風景(提供:国立科学博物館)
会期/2025年4月16日(水)〜7月6日(日)
会場/PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟)
開館時間/10:00〜17:00(土日祝は18:00まで/入場は閉館の30分前まで)
休館/会期中無休
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カラーズ―色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ/ポーラ美術館(神奈川・箱根)

現代を生きる私たちは、デジタルデバイスや鮮やかな広告に囲まれ、かつてないほど「色彩の世界」に暮らしている。そんな発想から企画されたのが、『カラーズ―色の秘密にせまる』展だ。
会場には、19世紀の印象派や新印象派をはじめ、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、そして現代アートまで、各時代を彩った作品が集結し、絵画や彫刻、インスタレーションなどの多彩な表現を通して、美術家たちが向き合ってきた「色彩」とその表現に迫る。色彩論や素材との関係、色彩の役割などを改めて考えるきっかけとなるだろう。
会期/〜2025年5月18日(日)
会場/ポーラ美術館 展示室1、2、3、アトリウムギャラリー(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285)
開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館/会期中無休
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安藤忠雄展|青春/VS.(大阪・梅田)

日本を代表する建築家のひとり、安藤忠雄。独学で建築を学び、既成概念を打ち破る斬新な建築作品を発表する一方で、環境再生や震災復興といった社会貢献活動にも尽力してきた。その多岐にわたる挑戦的な取り組みは、国内外で高く評価されている。
安藤忠雄が設計監修を手がけた新たな文化拠点VS.で開催中の本展は、彼の挑戦の軌跡、現在、そして未来へのビジョンを一望する展覧会だ。建築模型をはじめ、天井高15mの没入型映像空間に映し出される代表作の数々や、原寸大で再現された「水の教会」など、体験型の展示も充実。ANDO建築の魅力を、五感を通して存分に体感しよう。
<写真>「安藤忠雄展|青春」展示風景(VS.、2025年)
会期/〜2025年7月21日(月)
会場/VS.(大阪市北区大深町6-86 グラングリーン大阪 うめきた公園 ノースパーク)
開館時間/10:00〜18:00(金・土・祝前日は20:00まで)※入場は閉館の30分前まで
休館/月曜日(祝日は営業)
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瀬戸内国際芸術祭2025/瀬戸内海の島々と沿岸部

瀬戸内の島々を舞台に3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」は、国内外から約100万人が訪れる、日本を代表する国際的な芸術祭。約100日の会期は春・夏・秋の3つに分かれており、季節ごとに異なる美しさをみせる瀬戸内の豊かな自然とアートの融合を楽しむことができる。
6回目となる今年は、直島や豊島、小豆島など従来のエリアに加えて、志度・津田エリア、引田エリア、宇多津エリアの新エリアを加えた17エリアで開催。完成したばかりの直島新美術館も会場(※)となる。参加アーティストは37の国と地域から計218組で、出現する作品は100点を超える新作を含めた256作品で過去最大。じっくりと島々を巡りながら、アートとともに自然や歴史、建築、グルメを楽しんで。
※直島新美術館の開館は5月31日から。
会期/2025年4月18日〜5月25日(春会期)、8月1日~8月31日(夏会期)、10月3日~11月9日(秋会期)
会場/瀬戸内海の島々と沿岸部の17エリア
開館時間/会場によって異なる
休館/会場によって異なる
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