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横尾忠則 未完の自画像 私への旅 グッチ 銀座
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『横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅』展が、グッチ銀座 ギャラリーで開催

特別に開放された屋上スペースには、真っ赤な「足場」のインスタレーションが登場!

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東京・銀座のグッチ 銀座 ギャラリーにて、現代美術家・横尾忠則の個展が開催中だ。会場では、新作6点を含む約30点を展示するほか、1970年の大阪万博で横尾がデザインを手がけて大きな話題を呼んだ真っ赤な「足場」を再現。新作インスタレーションとして披露している。


横尾忠則 未完の自画像 私への旅 グッチ 銀座

<写真>横尾忠則による新作の自画像と、家族の肖像画。左から、《寄り道》(2025)《出発》(2025)《椅子だらけの自画像》(2025)

来場者を出迎えるのは本展『横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅』のために制作された、6点の自画像と家族を描いた肖像画。すべて新作だ。日付を見ると最新のものは2025年4月中旬に描き上げられたことがわかる。

キュレーションを担当した美術評論家の南雄介によると、本展のテーマである「未完」「自画像」「旅」は、横尾とのディスカッションを通じて定まっていったもの。「細かい打ち合わせを重ねたのですが、毎回非常に熱心に取り組んでいただきました」と南。展示作品のなかでも「自画像」に関しては、横尾より「連作を描きたい」との希望が出されたと言い、続ける。「本展をきっかけに始められた連作の制作は、これからも続くようです」

会場には、横尾が2006年から2007年にかけて日本各地の温泉をまわって制作した〈温泉〉シリーズや、三叉路がもつ普遍性を印象的に描いた〈Y地路〉シリーズなど「旅」を想起させる作品も多く並ぶ。

横尾忠則 未完の自画像 私への旅 グッチ 銀座

もうひとつのテーマである「未完」を象徴するのは、ギャラリーの吹き抜けから屋上までの空間を使って展示された新作インスタレーション《未完の足場》だ。ベースになっているのは、1970年の大阪万博で横尾が手がけた「せんい館」の建築だ。横尾はここで、建築プロセスをそのままの状態で提示することにより、「芸術の創造性は、未完であることによって示される」という自らの芸術観を表現した。

今回は、55年ぶりにこの「未完のアート」を再現すると共に、「せんい館」の看板に代えて、横尾が描いた大作《原始宇宙》(2000)の原寸大レプリカを展示した。これについて南は「横尾さんの『ぜひ』という声で選ばれた作品」であり、作風を自在に変化させてきた横尾が、伝統・具象・抽象という3つのスタイルを1つの作品の中に凝縮した、いわば「3コマ・アート」であると、作家の言葉を引用した。

「グッチ 銀座 ギャラリー」の端正な空間で、「未完」の美学を貫く横尾忠則の現在進行形に触れられる貴重な機会を、お見逃しなく。


横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅
会期/〜8月24日(日)※予定
会場/グッチ銀座 ギャラリー
住所/東京都中央区銀座4-4-10 グッチ銀座 7階
時間/11:00〜20:00 ※最終入場 19:30
会期中無休
入場無料(予約優先制)
※屋上スペースは天候・時間によっては見られない場合もあり

公式サイト

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