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海外渡航が制限される今、注目が集まっている日本の有名建築。歴史ある建物や近年話題の美術館は、建築の細かいディテールや空気感を堪能するほか、思い出として写真にも残しておきたい。そんな、思わず写真を撮りたくなる、SNSで人気の有名建築を日本全国から『エル・デコ』編集部がセレクト。いつかはかなえたい、日本の有名建築巡りのアイデアにしてみて。
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北海道・モエレ沼公園
“全体をひとつの彫刻作品とする”というコンセプトのもと、彫刻家イサム・ノグチが基本設計を手がけた札幌市の「モエレ沼公園」。市街地を公園や緑地の帯で包み込むことを目指した“環状グリーンベルト構想”における拠点公園として、かつてゴミ処理場だった地に計画され、1982年に着工、2005年にグランドオープンを果たした。公園のシンボルでもある、ガラスのピラミッドには、地域固有の自然エネルギーである雪を活用した冷房システムを導入しており、自然環境保全の観点からも注目を集めている。
約188.8ヘクタールという広大な敷地には幾何学形態を多用した山や噴水、遊具などの施設が整然と配置されており、自然とアートが融合した美しい景観を楽しむことができる。
モエレ沼公園
住所/札幌市東区モエレ沼公園1-1
tel. 011-790-1231
開園時間/7:00-22:00
休園日/無休(園内各施設は定休日あり)

青森・国際芸術センター青森
安藤忠雄が設計し、青森市市制100周年記念事業として2001年12月に開館した「国際芸術センター青森」。周囲の起伏に富んだ地形をそのままに、建物を森に埋没させる“見えない建築”を実現。谷沿いに橋が架かるようにイメージされた直線型の創作棟と宿泊棟、さらにギャラリーや円形の屋外ステージを備えた馬蹄型の展示棟の3棟で構成される。屋外には20点を超える彫刻の展示も。
こちらでは、アーティスト・イン・レジデンス、展覧会、教育普及を3つの柱として、現代芸術に関連する多様なプログラムを発信。アーティストの活動支援や優れた芸術の発信、国際的ネットワークの構築、市民や学生とアーティストの出会いや表現・学びの機会の提供などを通して、文化芸術の創造・発信の中心となることを目指している。
国際芸術センター青森
住所/⻘森市⼤字合⼦沢字⼭崎152-6
tel. 017-764-5200
開館時間/9:00~19:00(展覧会:10:00~18:00)
休館日/年末年始(12月29日~1月3日)及び大学入学試験に関わる日程

秋田・秋田県立美術館
“ここにしかない魅力のある美術館”をコンセプトにし、2013年に安藤忠雄が設計を手がけリニューアルした「秋田県立美術館」。安藤建築の特徴でもある力強いコンクリート造を内外で採用しており、特に、壁の支えや柱のないエントランスの螺旋階段はフォトジェニック。
水庭越しに千秋公園の美しい風景を堪能することができるラウンジや自然光が降り注ぐ三角モチーフの天窓など、髄所に意匠が散りばめられた空間となっている。
秋田県立美術館
住所/秋田県秋田市中通1-4-2
tel. 018-853-8686
開館時間/10:00~18:00
休館日/不定休

岩手・岩手県立美術館
日本設計が設計を担当し、2001年にオープンした「岩手県立美術館」。美術館の骨格となる南北に長い大空間“グランド・ギャラリー”は、地形と周辺開発市街地の軸線に呼応し、公園側の広がりを包み、雄大な岩手山へ向かって開くようにレイアウトされた。
展示室は、恣意的デザインを最小限に抑えたシンプルな箱とし、作品鑑賞への集中を妨げる無駄な線や影を可能な限り排除。外気と接しない収蔵庫配置、東西の日射を極力避ける展示室の配置、作品動線の単純化など、ミュージアム建築としての理想的な平面計画を追求し、美術作品の展示・保存環境に最適な空調を提供している。
館内では、萬鐵五郎、松本竣介、舟越保武など岩手県にゆかりのある美術家たちの作品群を中心としたコレクションを収蔵。3作家の個人展示室が用意されている。
岩手県立美術館
住所/岩手県盛岡市本宮字松幅12-3
tel. 019-658-1711
開館時間/9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日/月曜日(ただし月曜日が祝日、振替休日の場合は開館し、直後の平日に休館)、年末年始

山形・SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE
坂茂が設計し、2018年、鶴岡サイエンスパーク敷地内に開業した「ショウナイホテル スイデンテラス」。山形庄内を象徴するランドスケープの一つである“水田”を着想源に、宿泊者が木造2階建の温もりある空間の中から原風景を眺め、自然体で過ごすことをコンセプトとした。全119室ある客室はすべて木造で、四季折々で表情を変える田園に浮かぶように建てられている。
館内の共用棟は、パブリックスペースとして開放しており、約1,000冊の書籍を備えるライブラリー、山形庄内にまつわるこだわりの品を販売するショップ、月山を望む開放的な空間が魅力のレストランは宿泊者以外も利用可能だ。
同じく坂が手がけた、0歳~小学6年生までを対象にした全天候型の児童教育施設「キッズドームソライ」も隣接している。
SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE
住所/山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1
tel. 0235-25-7424

宮城・宮城県図書館
県民誰もが楽しみながら学べる生涯学習の拠点施設として1998年、現在地に移転・開館した「宮城県図書館」。書庫収蔵能力は約150万冊を誇る。
設計を担当した原広司は、敷地内の自然の地形と植生を最大限活かすべく、谷間に架かる橋のような構造を採用。波を描く天井が印象的な3階の開架閲覧室では、すべての図書が200メートルに及ぶ直線上に配置されているため、利用者は求める本を探しやすい。文化センターとしての機能を備える施設内には、多目的ホール、ミニシアター、地形広場、カフェなども設置されている。
宮城県図書館
住所/宮城県仙台市泉区紫山1-1-1
tel. 022-377-8441
開館時間/火曜日~土曜日9:00~19:00(子ども図書室・展示室は17:00まで)
日曜日・祝日9:00~17:00
休館日/月曜日(祝休日の場合は開館し、翌平日に休館)、特別整理期間、年末年始

福島・アクアマリンふくしま
光と風を取り入れたガラス屋根のドーム構造が特徴的な、水族館機能を中心とする海洋科学館「アクアマリンふくしま」は、2000年に本館がオープン。大らかなシルエットとその透明性は、雄大な海の風景と見事に調和している。日本設計に所属する建築家の淺石優は、水中の世界に加え、地上の動植物生態系を含めた水際の世界を自然に近い環境で見ることができるように、設計を進めた。
福島の海の大きな特徴である、黒潮と親潮が出合う“潮目”をテーマにした三角形のトンネルは、福島県の海山川の生態系のほか、親潮の源流オホーツク海や黒潮の源流域熱帯アジアの自然も再現しているフォトジェニックな空間。2010年には、釣り場を備えた子ども向けの体験施設、「アクアマリン えっぐ」もオープンした。
アクアマリンふくしま
住所/福島県いわき市小名浜字辰巳町50
tel. 0246-73-2525
開館時間/通常期:9:00~17:30 (3月21日~11月30日)
冬季:9:00~17:00(12月1日~3月20日)
※入館は閉館時間の1時間前まで
休館日/年中無休

栃木・イタリア大使館別荘
中禅寺湖畔の豊かな自然や国際避暑地の歴史とのふれあいが楽しめるイタリア大使館別荘記念公園に建つ「イタリア大使館別荘」は、アントニン・レーモンドが設計を担当し、1928年にイタリア大使の別荘として建てられ、1997年まで歴代大使たちが使用した邸宅。
1階は、暖炉のあるダイニングと書斎エリアが中央のリビングスペースを挟んだワンルームで、開放感あふれる広縁につながっている。2階は湖に面して寝室が並び、湖の景観を最大限に生かした設計。パターンを変えながら杉皮張りで仕上げられた内外装も特徴的だ。
現在は国際避暑地歴史館として公開されている敷地内の副邸は、暖炉を備えるリビング兼ダイニングとそれに続く広縁、寝室と台所で構成され、本邸とは対照的に、森の中の景観を生かした建物で、窓から見る四季の彩りの変化は抜群。
イタリア大使館別荘
住所/栃木県日光市中宮祠2482
開館時間/4月 9:00~16:00 5月~11月10日 9:00~17:00 11月11日~30日 9:00~16:00
休館日/5月~11月 無休4月 月曜日(祝日の場合、翌日以降に振り替え)

茨城・水戸芸術館
「水戸芸術館」は水戸市市制100周年を記念し、磯崎新が設計を手がけ、1990年に開館した複合文化施設。なにより存在感を放つのは、高さ100メートルを誇る塔。外装に採用した素材はチタンパネルで、一辺9.6メートルの正三角形57枚を組み合わせた三重らせんが、空に上昇していくデザインだ。磯崎はこれについてこう語る。「もっとも安定した構造体である正四面体を組み合わせることによって、三重らせんを生みだし、その天に向かって無限に伸びていく形態によって、未来を象徴している」
施設内には、コンサートホールATM、ACM劇場、現代美術ギャラリーの3つの独立した施設があり、音楽、演劇、美術の3部門がそれぞれに、自主企画による多彩な事業を展開している。
水戸芸術館
住所/茨城県水戸市五軒町 1-6-8
tel. 029-227-8111
開館時間/9:30~18:00
休館日/月曜(月曜が祝日の場合は火曜)・年末年始

群馬・白井屋ホテル
創業300年を誇る白井屋を、建築家の藤本壮介が6年半以上かけて本格的にリノベーションした「白井屋ホテル」。改装によって再生したヘリテージタワーと、建物が緑に覆われた新築のグリーンタワーで構成されている。
ホテル敷地内には白川昌生、リアム・ギリック、ローレンス・ウィナーなど国内外のアーティストによる作品が展示されており、館内には現代美術作家の杉本博司と建築家の榊田倫之が設立した新素材研究所設計の空間が週末だけ「ザ・バー 真茶亭」として営業している。
客室数は全部で25。藤本とミケーレ・デ・ルッキ、ジャスパー・モリソン、レアンドロ・エルリッヒがそれぞれデザインを手がけたスペシャルルームも必見。
白井屋ホテル
住所/群馬県前橋市本町2-2-15
tel. 027-231-4618

埼玉・角川武蔵野ミュージアム
KADOKAWAと埼玉県所沢市が共同で進める街づくりプロジェクト「COOL JAPAN FOREST構想」の拠点施設「ところざわサクラタウン」内にオープンした図書館、美術館、博物館が融合した文化複合施設「角川武蔵野ミュージアム」。
隈研吾がデザイン監修したこちらは、水面に浮かび上がる岩の塊のような外観が特徴的。外壁には、1つ50kg~70kgの花崗岩を約20,000枚使用。複雑に組み合わされた石板の凹凸は、太陽光が外壁を照らす角度によって、さまざまな表情を生み出している。
館内には、展覧会を開催するためのグランドギャラリーや、高さ8メートルに及ぶ巨大本棚が360度囲む“本棚劇場”、ほか、世界でもっとも多くのライトノベルを揃える“マンガ・ラノベ図書館”などが入っている。
角川武蔵野ミュージアム
住所/埼玉県所沢市東所沢和田3-31-3
ところざわサクラタウンお電話窓口 tel. 0570-017-396
開館時間/日~木曜 10:00~18:00(最終入館 17:30)
金・土曜 10:00~21:00(最終入館 20:30)
休館日/毎月第1・第3・第5火曜日(祝日の場合は開館・翌日閉館)

千葉・ホキ美術館
日本初の写実絵画専門美術館として、2010年にオープンした「ホキ美術館」。日建設計の山梨知彦は、来館者が約500点の収蔵作品をゆっくりと作品を鑑賞できるような“癒しの美術館”を目指して地上1階、地下2階の三層の長い回廊を重ねたギャラリーを設計。
館内は、鑑賞者が細密に描かれた作品を堪能できるよう、空間は可能な限りシンプルに仕上げた。具体的にはプレーンな壁と絵画しか存在しない。山梨は、これについてこうコメントしている。「大きさの異なる1枚1枚の絵画へ最適な距離を確保すること、壁面の目地、ピクチャーレールやワイヤーを排除し、鑑賞時の視界には目の前の絵画以外、鑑賞の妨げとなるものが入らないように徹底しています」。展示照明は世界でも類を見ない全館ほぼLED照明を採用している。
ホキ美術館
住所/千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
tel. 043-205-1500
開館時間/10:00〜17:30(入館受付は〜17:00)
休館日/火曜日(※火曜日が祝日の場合は開館、翌平日に休館)

東京・国立競技場
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のメインスタジアムとして使用された国立競技場。隈研吾らが設計を手がけ、明治神宮内苑から皇居へとつながる神宮の杜と調和する「杜のスタジアム」として誕生した。
外観のデザインを特徴づけている軒庇に使用されている木材は、1本1本を全国47都道府県から調達した木材を使用。それぞれを北側から南側にかけて、北海道から沖縄まで調達先の地域の方位に合わせて配置した。
スタジアムを覆う大屋根のトラスには、国産木材と鉄骨を組み合わせた部材を採用。観客席は、“森の木漏れ日”を創出すべく、下層から上層に向かって徐々に色を変化させたモザイク状のアースカラーで彩った。
国立競技場
住所/東京都新宿区霞ヶ丘町10-1
tel. 03-5843-1300

神奈川・神奈川工科大学KAIT広場
神奈川工科大学内の、多目的半屋外施設「KAIT広場」。石上純也は設計の際、キャンパス内の他の土地より2メートルほど低い既存の高低差を生かして建物の高さをできるだけ抑え,地形と一体化する新しい地面となるようなボリュームを目指した。約4100平方メートルを誇る空間であるにも関わらず、柱のない構造は圧巻。外周壁と83本の杭、アースアンカー54本が巨大な鉄製の屋根を支える。
屋根には、59個の開口部を用意。2.2〜2.8メートルほどと、低く抑えられた天井に光を取り入れる。雨天時には内部に雨が入り込むが、床面には車道の舗装に使う透水性アスファルトを敷き詰めているため、雨水はすばやく吸収されて床の下を流れ,床面はドライな状態が保たれる。
神奈川工科大学KAIT広場
住所/神奈川県厚木市下荻野1030
tel. 046-291-3002

新潟・長岡リリックホール
シューボックス型の音楽専用コンサートホールとプロセニアム(額縁)形式の演劇専用シアターのほか、仕様の異なる10室のスタジオを備える文化施設。信濃川を望む長岡の文化情報の発信地・千秋が原ふるさとの森に伊東豊雄が設計し、1996年に完成した。
特徴は、グランドウェー(歩廊)を通ってホールへ向かう際に見える、なだらかな曲線を描く屋根。その上からは、楕円形のコンサートホールと四角い箱のようなシアターが顔を出している。
エントランスから内部に入ると、施設に合わせてデザインしたベンチなどが置かれたホールとシアター共通のホワイエがあり、観客はそこからそれぞれの会場へ入っていく。野外にはポケットステージも設置され、コンサートが開かれることも。
新潟長岡リリックホール
住所/新潟県長岡市千秋3丁目1356番地6
tel. 0258-29-7711
開館時間/9:00~18:00(夜の公演がある場合は公演終了まで)

長野・まつもと市民芸術館
長野県松本市の芸術拠点としてホールや実験劇場の機能を備えた「まつもと市民芸術館」は、伊東豊雄による設計で2004年に開館。駅前大通りに面した奥行のある敷地に、ピロティのあるエントランスや屋上庭園などを配し、周囲と調和する建物に仕上げた。
また、伊東は、一番奥側に舞台ではなく客席を配置した通常の劇場とは反対のレイアウトを採用。それにより、ホワイエまでの長い動線が生まれ、ガラスでできたランダムな開口部からやわらかな光が差し込む印象的な階段エントランスが実現した。
まつもと市民芸術館
住所/長野県松本市深志3-10-1
tel. 0263-33-3800
開館時間/8:30-22:00(18:30もしくは20:00閉館の場合あり)
休館日/メンテナンスによる休館あり

山梨・清春芸術村 茶室徹
西に南アルプス、北に八ケ岳、南に富士山を望み、かつて清春と呼ばれていた土地の名をアーティストの創作と交流の場として蘇らせた「清春芸術村」。ギュスターブ・エッフェルや谷口吉生、安藤忠雄といった名だたる建築家による美術館や図書館、礼拝堂のほか、レストランや、野外彫刻も配置されている。
「茶室徹」は、2006年に完成した、建築史家・藤森照信の設計によるもの。茶室を支えるのは清春芸術村に植わっていた樹齢80年の檜。建設にあたっては、縄文建築団のメンバーや赤瀬川源平、南伸坊、林丈二らが協働。高さは地上約4メートル、室内は1.7坪。茶室徹は外観の見学のみで、入室は不可。
清春芸術村 茶室徹
住所/山梨県北杜市長坂町中丸2072
tel. 0551-32-4865
開館時間/10:00〜17:00(入館は〜16:30)
休館日/月曜(祝日の場合は翌平日休み)・年末年始

静岡・富士山世界遺産センター
富士山を訪れる訪問者に対してその普遍的価値に関する情報を発信し、富士山の保存管理において中心的な役割を担う施設。圧巻は、木格子で“逆さ富士”をつくり上げた外観。前に広がる水盤には“富士山”として映り込む仕掛けだ。
建物内部は、1階から5階まで緩やかならせんスロープで繋がり、斜路を登りながらスロープ展示を鑑賞することで疑似登山体験ができる。最上階である5階の展望ホールまで登ると、大きな窓からは、刻々と表情を変える本物の富士山を一枚の絵のように鑑賞できる。敷地には富士山からの湧水を引き込み、空調熱源として利用した後、それを建物前面の水盤に利用し、富士の水の循環を建築として表現している。
富士山世界遺産センター
住所/静岡県富士宮市宮町5-12
tel. 0544-21-3776
開館時間/9:00~17:00 (7~8月 9:00~18:00)※最終入館は各閉館時間の30分前まで
休館日/毎月第3火曜日(第3火曜が祝日の場合、翌日休館)、施設点検日、年末年始

富山・富山市ガラス美術館
御影石、ガラス、アルミの異なる素材を組み合わせ、表情豊かな立山連峰を彷彿とさせる外観を持つ、富山市立図書館本館などが入居する複合施設「TOYAMAキラリ」内にある美術館「富山市ガラス美術館」。建築家の隈研吾は、それぞれが「様々な角度で光を反射することで、このキラキラとした印象が生まれ、富山の街と人をキラキラさせます」とコメント。
建物内部には「南から射す太陽の光を、めいっぱい地面まで導き、建物全体をキラキラさせるために、この角度をきめました」と隈が語る“光の筒”がつらぬき、富山県産材のルーバーを活用した温もりのある開放的な空間が広がる。
常設展としては、富山市所蔵の現代ガラス美術作品が紹介されており、展示室や図書館内には富山ゆかりの作家による作品も展示される。グラス・アート・ガーデンには、現代ガラス美術の巨匠デイル・チフーリの工房が制作したインスタレーションも。
富山市ガラス美術館
住所/富山県富山市西町5-1
tel. 076-461-3100
開館時間/9:00〜18:00(金・土曜日は〜20:00)
休館日/第1・3水曜日、年末年始

石川・金沢21世紀美術館
「まちに開かれた公園のような美術館」を建築コンセプトにSANAA(妹島和世+西沢立衛)が設計し、2004年にオープンした美術館。誰もがいつでも立ち寄ることができ、多くの出会いや体験が可能となる公園のような美術館とすべく、外壁や建物内の壁面の多くにガラスを採用し、トップライトや光庭など明るさや開放感にも十分に配慮した。
また、三方が道路に囲まれている美術館の敷地内どこからでも人々が訪れることができるよう、正面や裏側といった区別のない円形の建物とした。その中に、展示室やカフェレストラン、アートライブラリーといった施設はほぼ水平方向にレイアウト。こうすることで、館内に街のような広がりが生まれた。
Courtesy: 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
金沢21世紀美術館
住所/石川県金沢市広坂1-2-1
tel. 076-220-2800
開館時間/展覧会ゾーン 10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)交流ゾーン 9:00~22:00
休館日/展覧会ゾーン 月曜日(休日の場合は直後の平日)、年末年始、交流ゾーン 年末年始
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