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「神戸モダン建築祭」で行くべき、名建築&ガイドツアー9

パスポートやガイドツアーの申し込みがスタート。日本最初のイスラム寺院や円形校舎のある小学校、巨大トンネルまで多彩なラインナップに注目。

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神戸モダン建築祭
神戸モダン建築祭

2024年11月22日(金)から24日(日)の3日間、神戸の多様なモダン建築を一斉公開する「神戸モダン建築祭」が開催される。昨年の中央区に加え、今年は灘区や東灘区、さらには阪神間にまでエリアを拡大。参加する建築は約70件。対象となる建築を見学するためのパスポートの販売やガイドツアーへの申し込みは、すでにスタートしている。

本記事では、建築家や建築に携わるガイドの案内による「ガイドツアー」とパスポート提示で見学できる「パスポート公開」のプログラムの中から、必見の9つの建築をご紹介。ぜひ、建築めぐりの参考にしてほしい。

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1

神戸ムスリムモスク

神戸モダン建築祭
神戸モダン建築祭

1935年に、神戸在住のトルコ人、タタール人、インド人貿易商らの出資により建てられた日本で最初のイスラム教寺院。大きな玉ねぎ形ドームや三日月を頂く4基の尖塔など、モスク特有の様式が施された鉄筋コンクリート造り3階建て。設計はチェコ出身の建築家ヤン・ヨセフ・スワガーによる「スワガー建築事務所」。神戸大空襲や阪神・淡路大震災でも被害を免れた、頑強な建築構造をもつ。

2

兵庫県立神戸高等学校

神戸モダン建築祭
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長い坂を上った先に立つ、西洋の城郭のような佇まいの兵庫県立神戸高校は、神戸市の中でも古い歴史を誇る公立の名門校。1938年竣工の2代目校舎は、兵庫県営繕課による設計。「ロンドン塔」と呼ばれる塔屋や銃眼に見立てた装飾など中世の古城を模したロマネスク調建築となっている。



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3

神戸市立美野丘小学校

神戸モダン建築祭
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全国でも数少ない円形校舎。設計した坂本鹿名夫は円形建築にこだわった建築家で、校舎や病院など全国に100以上の円形建築を手掛けたが、美野丘小学校は現存する数少ない作品のひとつ。建物中央のらせん階段を取り囲むようにして教室が配置され、バームクーヘンのように区切られたユニークなつくりに注目したい。


4

甲南漬資料館

神戸モダン建築祭
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2010年に国の登録有形文化財に選出された甲南漬資料館は、灘五郷の御影郷で醸造業を営む高嶋家の邸宅として建てられたモダン建築。設計は、神戸で活躍した建築家の清水栄二。現在はさまざまな教室などが行われる複合クリエイティブスペースや資料館として使用されている。建築祭では、2階部分を公開する。


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5

北の椅子と

神戸モダン建築祭
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昭和初期には(木材を長期にわたって貯蔵する)貯木場として機能していた兵庫運河。「北の椅子と」は、材木町という名の通り、かつて10数件の材木屋があった運河にほど近いこの一帯で、北欧ビンテージ家具屋&カフェを営む。建築祭では、材木屋の面影を感じ取れる1階の製材所を特別に見学できる。(指定時間:約10分)


6

神戸税関/公開のほか、円満字洋介と神戸港モダン建築めぐりツアー

神戸モダン建築祭
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1927年に竣工した、貿易港・神戸の繁栄を象徴する建物。圧巻は、4階分を吹き抜けた巨大な玄関ホール。今回は、かつて貴賓室として使われていた2階の部屋とともに、中庭を抜けた先にある新館を公開。ここでは、通常は非公開の屋上にも立ち入ることができる。

建築祭では、修復建築家として旧本野精吾邸や鴨東教会の改修を手掛ける円満字洋介とともに、神戸税関のほか、貿易センタービルとデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)を含めた神戸港のモダン建築をめぐるツアーを実施する。

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7

湊川隧道/公開のほか、日本最古級ダム&巨大トンネルへ潜入ツアー

神戸モダン建築祭
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明治の土木技術の粋を集めた烏原貯水池と当時世界最大規模を誇ったトンネル、湊川隧道へ潜入するツアー。神戸三大土木事業の一つとして造成された日本最古級のダムと神戸と兵庫の街を分断していた湊川を地下に付け替えた明治の巨大産業遺産をめぐる。「神戸の台所」とうたわれる神戸新鮮市場での食べ歩きタイムも楽しみだ。

ガイドを務めるのは、ともに湊川隧道部で、写真家兼産業遺産探検家の前畑温子とまちづくりPRプランナーの西島陽子。

8

兵庫県公館/公開のほか、建築士・沢田伸によるガイドツアー

神戸モダン建築祭
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耐震性能不足から解体が決まった兵庫県庁と、明治時代の旧庁舎である兵庫県公館を見学。県営繕課の建築家、光安義光が手掛けた知られざるモダニズムの名建築、そして明治の建築家、山口半六の設計で誕生したフランス・ルネサンス様式の旧庁舎を、光安とも交流のあった建築士の沢田伸が案内する。

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9

神戸大学/公開のほか、神戸大学特命講師・小代薫によるガイドツアー

神戸モダン建築祭
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ロマネスク様式の建築が立ち並ぶ神戸大学を、同大学計算社会科学研究センター・特命講師の小代薫が特別案内する。「白亜の殿堂」と称された学内最古の建築「六甲台本館」、巨大な壁画を有する全国的にもきわめて貴重な「出光佐三記念六甲台講堂」、アールデコの装飾が印象的な「兼松記念館」。いずれもベージュのスクラッチタイルが太陽光を受けて白く輝く、3棟の名建築を見学する。

「神戸モダン建築祭」では、ここで紹介した以外にも、多彩な「ガイドツアー」や「パスポート公開」のプログラムを実施。また、宿泊プランや美術館・博物館の入場料割引などさまざまな連携企画も用意しているので、まずは公式サイトで詳細をチェックしてみよう。


神戸モダン建築祭
会期/2024年11月22日(金)〜24日(日)

公式サイト

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