記事に移動
京都モダン建築祭
Hearst Owned

【2025年版】建築の魅力を堪能できる、全国の建築祭リスト

今年初開催を迎える「ひろしま国際建築祭」をはじめ、日本を代表する都市を舞台にした注目の建築祭をご紹介。開催時期も随時更新中。

By

それぞれ2022年と2023年にスタートし、開催回数を重ねる「京都モダン建築祭」と「神戸モダン建築祭」に、昨年始動して話題を集めた「東京建築祭」—これらに加え、今年は瀬戸内エリアの建築にフォーカスした「ひろしま国際建築祭」も初開催される。

街の歴史をその身に刻んできた建築に直接触れることで、来場者にこれを身近に感じてもらい、次世代へとつなぐことを目指す建築祭。個性あふれる建築はもちろん、開催地の街並みを楽しむことができるのも魅力だ。ここでは、2025年に日本各地で開催される4つの建築祭をご紹介。今年の旅の目的地として考えてみてはいかが?

1

京都モダン建築祭

京都モダン建築祭 国立京都国際会館

「京都モダン建築祭」は、2022年に文化庁京都移転記念事業として京都モダン建築祭実行委員会と京都市の共催でスタート。建築一斉公開イベントとしては、全国で初めて有料パスポート方式を導入し、「パスポート公開」とガイドツアーを主なプログラムとして実施。

初開催時の参加建築数は36件。2023年は、前年の反響を受けて期間・エリアともに大幅に拡大。参加建築数は76件となった。そして昨年は102件が参加し、29歳以下を割引く「U29パスポート制度」に加え、ジュニアガイドが活躍したり親子の対話型鑑賞が行われたりと、貴重な文化財を次世代に継承するための取り組みもさかんに行われた。

「京都モダン建築祭」で見逃せない、一般非公開の名建築15

「京都モダン建築祭」で行くべき名建築ツアー9

<写真>日本初の国際会議場である「国立京都国際会館」

京都モダン建築祭 先斗町歌舞練場

神社仏閣のイメージが強い京都だが、近代以降、戦争や震災の被害が少なかったこの街にはモダン建築が数多く現存している。本建築祭では、「先斗町歌舞練場」(写真)など京都を象徴する建物や、「京都市役所本庁舎」、「京都国立博物館」といった公共施設の一般非公開エリアを公開。また、「国立京都国際会館」などを舞台にしたガイドツアー85コースが企画された。次回は、2025年11月1日~9日の開催を予定している。

公式サイト

ADの後に記事が続きます
2

東京建築祭

東京国際建築祭 築地本願寺

2024年にスタートした、東京では初となる大規模な建築公開イベント。テーマは、「建築から、ひとを感じる、まちを知る」。初回では、奇想の建築家と呼ばれる伊東忠太の最高傑作と名高い築地のランドマーク「築地本願寺」(写真)や現存する最古のアメリカンタイプのオフィスビルである「三井本館」、かつて渋沢栄一の邸宅が立っていた土地に証券会社が入るビルとして建設された「日証館」など54件の建築が参加し、44のガイドツアーが企画された。初開催ながら、来場者はのべ6万5千人にも及び、大きな盛り上がりを見せた。

東京を舞台とした建築フェス『東京建築祭』が開催!

倉方俊輔が解説する「東京建築祭」で見るべき名建築10

東京国際建築祭 三井本館

2025年の開催時期は、5月17日(土)から25日(日)。今年も歴史的な近代の遺産、戦後に生まれたビル、先鋭的な現代建築など、多彩な建築の魅力に光を当て、普段は立ち入ることができない場所を一般に公開すると共に、使い手や専門家などによるガイドツアーや無料プログラムを行い、建築をより身近に考える機会を提供する。

<写真>現存する最古の、アメリカンタイプのオフィスビルである「三井本館」

公式サイト



ADの後に記事が続きます
3

ひろしま国際建築祭

ひろしま国際建築祭 尾道市立美術館
尾道市立美術館写真提供 / 尾道市立美術館

ひろしま国際建築祭は、広島県の福山市と尾道市を中心とした瀬戸内エリアを舞台に、2025年に初開催を迎える。会期は、2025年10月4日(土)から11月30日(日)まで。3年に1度の開催を目指す本建築祭のミッションは「“建築”で未来の街をつくり、こどもの感性を磨き、地域を活性化させ、地域の“名建築”を未来に残すこと」。

会期中には、プリツカー建築賞を受賞した日本人建築家に焦点を当てた『ナイン・ヴィジョンズ: 日本から世界へ 跳躍する9人の建築家』展の会場となる「尾道市立美術館」(写真)や『丹下健三自邸復刻プロジェクト』展を含む、10を超える会場や、サテライト会場にて、建築にまつわる多彩なイベントが企画されている。

建築文化の祭典『ひろしま国際建築祭 2025』が2025年10月開催

ひろしま国際建築祭 神勝寺
神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院)写真提供 / 神原・ツネイシ文化財団

「神勝寺 禅と庭のミュージアム(無明院)」(写真)では、丹下健三が東京・成城に設計した自邸を再建するプロジェクトに関する展示を行う。この他にも、スタジオ・ムンバイが手がけた宿泊可能な多目的空間「LOG –Lantern Onomichi Garden–」やサポーズデザインオフィスの谷尻誠が1943年に建てられた海運倉庫をリノベーションした「ONOMICHI U2」など新旧の建築を楽しむことができる。

公式サイト



ADの後に記事が続きます
4

神戸モダン建築祭

神戸モダン建築祭 湊川隧道

神戸の多様なモダン建築を一斉公開する建築祭。パスポートを購入して建築を見学できる「パスポート公開」のほか、専門家によるツアーを楽しめるプログラムも。

神戸は、明治維新とともに開港し、飛躍的な発展を遂げた街。「東洋一美しい」と讃えられた旧居留地には数多くのモダン建築が立ち並び、港湾部を訪れると国際貿易港ではダイナミックなインフラ施設や倉庫群が目を奪う。また、日本人と外国人が共生した山麓の雑居地では今も暮らしとともにある異人館やさまざまな宗派の教会堂が異国情緒をかもし出す。こうした建築物のほか、巨大トンネル「湊川隧道」(写真)が公開されるなど、明治神戸の土木事業の歴史に触れられるのも「神戸モダン建築祭」の魅力だ。
【2024年版】「神戸モダン建築祭」で行くべき、名建築&ガイドツアー9

神戸モダン建築祭 神戸税関

神戸大空襲や阪神淡路大震災を経て、日本の近代化を体現するこの街の記憶を、何より全身で語るのが、神戸のモダン建築群。第2回を迎えた2024年は、灘区や東灘区、さらには阪神間にまでエリアを拡大し、参加する建築は約70件に上った。次回開催は、2025年を予定している(開催日未定)。

<写真>1927年に竣工した、「神戸税関」

公式サイト

ADの後に記事が続きます
ADの後に記事が続きます
Page was generated in 3.9650399684906