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modern interior of a living space featuring wooden elements and warm colors
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【神奈川】建築好きが行くべき、フォトジェニックな名建築20

横浜ならではのレトロモダンな建物から、建築家・山本理顕や石上純也による現代建築まで。建築好きなら一度は目にしておきたい名作ぞろいの神奈川へ。

By Mari Hayami

神奈川は、日本で最初に開港した都市の1つである横浜を中心に、いち早く西洋の建築様式を取り入れて新しい文化をリードしてきた地。築100年を超えた今見てもおしゃれな洋館など、貴重な遺構が豊富だ。加えて海あり山あり湖ありの恵まれた自然環境を生かしたすばらしい建築物の宝庫でもある。神奈川で訪れるべき美しい名建築、20選を見どころと共に紹介しよう。

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横浜美術館/横浜市

横浜美術館

モダニズム建築の巨匠・丹下健三が手掛けた代表作の1つである横浜美術館。左右全長180mにも及ぶシンメトリーなファサードに柱廊が広がる石造りの外観が麗しい。神殿のような荘厳さを湛えながら、高層ビルが立ち並ぶ「みなとみらい21地区」の中央に鎮座している。近・現代美術を幅広く扱う、国内でも有数の規模を誇る美術館だ。

<写真>撮影:新津保建秀


横浜美術館

1989年の開館以来初の大規模改修工事を経て2025年2月、約3年ぶりに全館オープンしたばかり。横浜美術館を象徴してきた吹き抜けの広大なエントランスホール「グランドギャラリー」を中心とする無料エリアが「じゆうエリア」として整備された。天井の開閉式ルーバーの改修工事を行ったことで、季節や時間によって天井からやわらかい自然光がふりそそぐようになり、輝きと開放感を増した大空間で、アート作品や建築を鑑賞しながら自由にくつろぐことができる。

<写真>撮影:新津保建秀

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横浜美術館

2025年6月28日(土)~11月3日(月・祝)には横浜美術館リニューアルオープン記念展「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」を開催。

<写真>撮影:新津保建秀

横浜美術館
神奈川県横浜市西区みなとみらい3丁目4-1
公式サイト





2

鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム/鎌倉市

鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム

鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムは、建築家・坂倉準三が設計し1951年に開館、2016年に閉館した神奈川県立近代美術館の旧鎌倉館を継承した施設。鶴岡八幡宮の境内にあり、現在は鎌倉の歴史や文化を伝える文化発信拠点として機能している。




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鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム

見どころは、国の重要文化財にも指定されている建物そのもの。池に面したピロティの水面に反射した光が天井に映り込む幻想的な風景は必見。中庭に面した壁面では、大谷石とガラスブロックを組み合わせて積み上げた、美しいコントラストを確認して欲しい。随所において、ル・コルビュジエに師事した坂倉準三らしい、モダニズムと自然が調和した空間の妙を味わうことができる。





鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム

ミュージアムショップでは本館の建築をモチーフにしたグッズを取りそろえているほか、カフェも隣接。近隣の文化施設へ赴くための情報提供も行われており、鎌倉巡りの起点にぴったりの施設だ。

鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム
神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目1-53
公式サイト

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3

ザ・プリンス 箱根芦ノ湖/足柄下郡

ザ・プリンス 箱根芦ノ湖

ザ・プリンス 箱根芦ノ湖(竣工時は箱根プリンスホテル)は1978年、建築家・村野藤吾が87歳という晩年に完成させた傑作だ。国立公園である箱根・芦ノ湖畔に立ち、その地のすばらしい風致に寄与するエレガントで慎ましやかな佇まいが見事。





ザ・プリンス 箱根芦ノ湖

主棟と客室棟からなり、まず一見平屋のように見える低い主棟の軒をくぐると、シックなエントランス空間に招かれる。ところが奥へ進むと一転、天井が高く開け、深い赤と光、美しい調度品に彩られたダイナミックなロビー空間が。外観からは思いがけないドラマチックな場面展開に息をのみ、圧巻の優美さと高揚感に包まれる。






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ザ・プリンス 箱根芦ノ湖

このホテルは建物だけでなく家具や照明、ドアの取っ手にいたるまで、村野藤吾がデザインしたもの。それらの多くが約50年ものときを経て今なお大切に残されている、非常に貴重な場所でもある。内階段の流麗なフォルム、客室のテラスの優雅な装飾など、建物の内外、隅々まで凝らされた趣向を余すところなく堪能したい。

ザ・プリンス 箱根芦ノ湖
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根144
公式サイト

4

小田原文化財団 江之浦測候所/小田原市

小田原文化財団 江之浦測候所

江之浦測候所は箱根外輪山の麓、相模湾を望む丘に位置する。現代美術作家の杉本博司が構想に10年以上の歳月をかけてつくり上げ、2017年に開館した文化施設だ。かつて柑橘畑だった広大な地に、美術品鑑賞のためのギャラリー棟、石舞台、光学硝子舞台、茶室、庭園などを備えている。

<写真>©Odawara Art Foundation

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小田原文化財団 江之浦測候所

現在では継承が困難になりつつある日本の伝統工法を再現し、将来へ伝える使命を担う点、また随所に古代から近代までの建築遺構から収集された貴重な考古遺産が配されている点においても意義深い。

<写真>©Odawara Art Foundation





小田原文化財団 江之浦測候所

ここでは太古の昔より人類が創造し続けてきた、建築やアートたるものの原点に思いを馳せることとなるだろう。海と山に囲まれ、天空の下、太陽の運行や天候を見つめるための「測候所」と銘打たれた施設自体が、太古の人々と現代を生きるわたしたちに通底する感覚を呼び起こすアートでもある。

来訪は事前予約制となっており、午前の部、午後の部の入れ替え制。見学日の2日前までに公式サイトで予約を。

<写真>©Odawara Art Foundation

小田原文化財団 江之浦測候所
神奈川県小田原市江之浦362-1
公式サイト

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5

横浜港大さん橋国際客船ターミナル/横浜市

横浜港大さん橋国際客船ターミナル

横浜港大さん橋国際客船ターミナル、通称“大さん橋”は、国内外のクルーズ船が発着する世界でも有数の客船ターミナル。横浜開港以来130年以上の歴史を誇る、海の玄関口だ。これまで増改築を重ねてきたなかでも2002年に完成した現在の7代目ターミナルが、横浜を代表する人気の観光スポットとなっている。


横浜港大さん橋国際客船ターミナル

波や船をイメージして曲面を多用した屋外空間、柱のない巨大な屋内空間など、斬新かつユニークなデザインは、国際デザインコンペによって選ばれた建築家、アレハンドロ・ザエラ・ポロとファッシド・ムサヴィによるもの。みなとみらい・赤レンガ倉庫・ベイブリッジをはじめとする横浜の観光名所を海上から見渡せる360度のパノラマビューや、24時間開放されている屋上から見ることができる大迫力の豪華客船など、フォトジェニックなシーンがあまりにも多く心が躍る。

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横浜港大さん橋国際客船ターミナル

広々とした公園のような感覚で自由に散策して楽しめ、ターミナル内にはカフェやレストラン、ショップも。子供連れのお出かけにも最適なスポットだ。

横浜港大さん橋国際客船ターミナル
神奈川県横浜市中区海岸通1丁目1-4
公式サイト




6

神奈川県庁本庁舎/横浜市

神奈川県庁本庁舎

トランプの絵札のイメージから「キングの塔」の愛称で親しまれている神奈川県庁本庁舎。設計コンペで1等に選ばれた小尾嘉郎の案を元に県庁舎建築事務所が実施設計を行い、1928年に竣工した。鉄骨鉄筋コンクリート構造を採用し、和風を基調に洋風の装飾的な意匠を折衷した、当時としては画期的なモダン建築の名作だ。


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神奈川県庁本庁舎

褐色のタイルと幾何学的な構成を特徴とするフランク・ロイド・ライトのような様式。中央に象徴的な塔をもつ姿は、「キング」の名にふさわしい堂々たる風格を備えている。アール・デコ風の装飾が見どころの正面玄関、宝相華の花をモチーフとした重厚な玄関ホール、横浜港やみなとみらい地区を一望できる屋上展望台などが見学可能。





神奈川県庁本庁舎

「クイーンの塔」と呼ばれる横浜税関、「ジャックの塔」と呼ばれる横浜市開港記念会館と共に、「横浜三塔」として市民に親しまれている。

神奈川県庁本庁舎
神奈川県横浜市中区日本大通1
公式サイト







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7

川崎市岡本太郎美術館/川崎市

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芸術家・岡本太郎生誕の地である川崎市に1999年に開館した、川崎市岡本太郎美術館。自然豊かな生田緑地内に位置し、岡本太郎から寄贈された作品や資料約1800点を収蔵している。

Art gallery with abstract paintings and sculptural elements

生田緑地の東口からは徒歩7~8分ほど。四季折々の植物の表情に触れながら、高低差のあるランドスケープを乗り越え進んだ先にある同館は、コンセプトである「自然と融合した美術館」を体現している。館内には常設・企画の2つの展示室を据え、外観は緑や水を取り入れた、憩いの場としてのデザインが魅力だ。屋外にある高さ30mのシンボルタワー「母の塔」は生命力にあふれており、大地ごと抱くような包容力で訪れる者を歓迎する。





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