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たっぷりの緑と暮らす、ブラジルの気鋭建築家 の住まい。
建築家グート・レケーナの自邸は植物とテクノロジーが融合。サンパウロの築50年のアパートで未来的で有機的な暮らしを実現した。「エル・デコ」2025年6月号より。
建築家のグート・レケーナがパートナーと住むのは、サンパウロの中心部に立つ1962年築の集合住宅。当初は大きなバルコニーのある家を探していたが、このアパートはその条件を満たさない。そこでレケーナが目をつけたのが、壁一面を覆うガラス窓だった。開放的な空間を生かして「家全体をバルコニーとして捉えよう」と考え直したのだ。
<写真>ブラジルに自生する植物をセレクト。建物の木製シャッターや、オリジナルの床を再利用してつくった家具がグリーンを引き立てる。
レケーナが選んだ植物の多くは、ブラジルの熱帯雨林が原産地だ。「熱帯雨林は、インテリアのカラーパレットを決める際の着想源にもなりました」。
<写真>なかにはジャボチカバの木など実をつける植物も。テントウムシやチョウが飛び交う空間にリナ・ボ・バルディなどの名作家具が並ぶ。
テラコッタ色の床に配置したのは、自身やブラジル人デザイナーが手掛けた木製家具。壁面には木製パネルが多用され、視線を上げるとみずみずしい葉が天井を覆っている。
<写真>レケーナが手掛けた回転式のテーブルと照明。気分に合わせて回転させ、窓の先やリビングなど異なる風景を楽しむ。
「人間は自然との距離を縮めるべき。植物と生活しているとクリエイティビティが刺激されます」
<写真>本棚の奥にあるコーナー。背後に見える木製パネルのデザインには、アパートのシャッターの模様が反映されている。
オープンプランのリビングでは、開口部と同じ長さのプランターを天井近くに設置。自然光を求めるツルが窓近くまで伸び、ハンギングプランターに植えられたシダ植物やベースから顔を出す季節の花々と共に部屋を緑で埋め尽くす。
<写真>ダイニングエリアからの眺め。大小のガラス製ベースを複数使うことで、葉を中心としたアレンジでも華やかな印象に。
これだけの植物の健康状態を良好に保つのは難しそうだが、レケーナは首を振る。「全てシステム化されていて、ひと声かけるだけで水やりができるんです」。
<写真>キッチンでは、ミントやレモングラスなど調理や茶葉に使うハーブを育てている。「ハーブは、小まめな手入れが必要」とレケーナ。
先進技術を建築に応用する研究を続けてきたレケーナの成果が、ここに発揮されている。この家では、家電はもちろん、カーテンや間仕切りにいたるまで、音声入力で制御可能なのだ。
<写真>ツートンカラーの本棚では、垂直方向に伸びるツル性植物を配置することで、まとまりのあるインテリアに。
熱帯雨林の植物とテクノロジーがシームレスに溶け合う空間。都市に住む現代人が自然と理想的な関係を築く鍵が、ここにありそうだ。
<写真>ミラー後ろのプランターから伸びるブラジル原産のラグリマ・デ・クリストがグリーンカーテンに。
サンパウロを拠点とする設計事務所エストゥディオ・グート・レケーナを主宰。インテリアやプロダクトデザインを手掛ける他、デザインとテクノロジーの融合を図るJuntxs.Labを開設するなど多才に活躍。
Photo & Original Text:FILIPPO BAMBERGHI(LivingInside)
Text:CHISATO YAMASHITA
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