「ワン・ダイレクション」のメンバーのひとりとして、イギリスを代表するトップアイコンに君臨し、世界を熱狂させたハリー・スタイルズ。2016年から活動休止状態に入ると、ソロとしてのアーティスト活動に加え、俳優活動も本格始動。それと同時に、ハリーがファッションアイコンとしての頭角をめきめきと現し始めたのもこの頃から。
ハリーのスタイルから見えてくるのは、“ファッションをとことん楽しむ姿勢”。花柄、パール、フリル、レース、シースルー、ピンク、左右違う色のネイル……どんなスタイルも自分流に試してさらりと着こなし、「男らしさ」というステレオタイプを軽やかに打ち破るジェンダーニュートラルな装いは、まさに現代を象徴するアイコン。そんなハリーのスタイルをつくるアイテムを深掘り。

Jason Merritt/TERM//Getty Imagesフォーマルなタキシードで揃えた他のメンバーとは一線を画す、「グッチ」の花柄スーツで登場した2015年の「アメリカン・ミュージック・アワード」。このスタイルが、ハリーにとってのターニングポイントと言われるように。
ハリーのスタイルに欠かすことのできないブランドといえば、「グッチ」。2015年、「グッチ」のクリエイティブ ディレクターにアレッサンドロ・ミケーレが就任すると、ミケーレはハリーをミューズとしてたびたび起用するようになった。常に時代を先読みし、ジェンダーにもシーズンにもとらわれないクリエーションでモード界を牽引するミケーレにとって、ステレオタイプを軽やかに超えていくハリーはブランドを体現するアイコンそのもの。レッドカーペットにおけるこれまでの既成概念にとらわれない、ハリーの自由なスタイルはこの頃から注目を浴びるように。

Steve Jennings//Getty Images2017年9月、ノブヒル・メソニック・センターで開催されたツアー開幕公演にて。ノスタルジックな総柄スーツで魅了。

Kevin Mazur//Getty Images2018年、マディソンスクエアガーデンでのコンサートでは、フェミニンなボウブラウスを合わせたコーディネートで登場。

Karwai Tang//Getty Images2020年の「ブリット・アワード」にて。「グッチ」のダブルブレストのタキシードにパールという、この上なくおしゃれな組み合わせ!
ここ数年、メンズパールがストリートトレンドとしても人気を集めてきたが、火付け役として名を挙げるとするならば、間違いなくハリーの名前も入る。一般的には、女性がフォーマルなシーンで着用するクラシックなジュエリーとして認識されてきたパールを、ハリーはどんなシーンでも自在に、ノールールに楽しむ姿が印象的。
レッドカーペットから私服まで、気負いなく取り入れるそのスタイルは、新鮮な遊び心にあふれている。そして、肩肘張らない自身のスタイルを象徴するようなメッシーなヘアも、茶目っ気たっぷり!

Dia Dipasupil//Getty Imagesスカラップカラーのシャツから、パールをちらりと覗かせて。ブルー×グリーンのカラーコントラストもモード。

Neil Mockford//Getty Imagesカジュアルな私服コーデにもさらりと着けこなして。パールをはじめ、手もとのジュエリーづかいや真っ赤なネイルまで抜かりないおしゃれぶり。

Dimitrios Kambouris//Getty Imagesアレッサンドロ・ミケーレらと共同ホストを務めた2019年のメットガラでは、「グッチ」のシースルーブラウスにパールのイヤリングを合わせたスタイルが話題に。
デヴィット・ボウイを筆頭に、’70年代に大流行したグラムロックを崇拝しているというハリーのスタイルには、’70sムードたっぷりのボウタイブラウスも欠かせない。デコラティブなジャケットにボリュームたっぷりのボウブラウスを合わせた、マキシマムなコーディネートはいつだって異彩を放つ存在感。

David Becker//Getty Images2017年「iHeartRadio ミュージック フェスティバル」にて。ジャケット、パンツ、ブラウス全て「グッチ」を着用。

Jeff Kravitz//Getty Images華やかなフローラル柄のスーツはもちろん「グッチ」。ネイビーのボウブラウスを合わせて、レトロシックにスタイリング。

Neil Mockford / Ricky Vigil M//Getty Images2020年の「ブリット・アワード」のアフターパーティでは、「マーク ジェイコブス」のスリーピースで。
イエロー、ピンク、ブルー、パープル……。ハリーのスタイルにモノトーンは無縁。グラムロックの影響が引き続き見られるスーチングスタイルでは、サイケな色彩も難なく攻略。「マーク ジェイコブス」のスーツを着こなした2020年の「ブリット・アワード」のアフターパーティのように、大胆なカラーブロックで魅せるのも彼らしい。

John Lamparski//Getty Imagesピンクのタキシードは「エドワード セクストン」。インはブラックのシャツで引き締めて。

Kevin Kane//Getty Images2019年、ロックンロール・ホール・オブ・フェイムの表彰式にて。ダブルブレストのベルベットスーツは「グッチ」。

Kevin Mazur//Getty Images2020年、スーパーボウルのプレコンサートでは、リゾ(Lizzo)のステージにサプライズ出演! マルチカラーのニットベストを、ストライプシャツにレイヤード。
高感度なセンスでファッションを楽しむハリーが最近たびたび着用するのが、コンパクトなニットベスト。年明けに公開された、フィービー・ウォーラー=ブリッジとの共演も話題になった「Treat People With Kindness」のMVでも、揃ってアーガイル柄のニットベストで登場したほか、ドット柄やアニマル柄など、プレイフルな柄のベストにシャツを重ねたスタイリングは、気負わないドレスアップを得意とする彼らしさ満点のスタイル。

Robert Kamau//Getty Images「ダイアナ元妃のスタイルにそっくり!」と話題になったこのニットは「ランバン」。シャツとパンツ、どちらもニュアンスの異なるストライプで合わせた高度なディテールにも注目。

Kevin Mazur//Getty Imagesこちらも「ランバン」2020秋冬コレクションのルックをそのままトレース。キッチュなドット柄を主役に、カラーコントラストを楽しんで。

The Mega Agency//Aflo特に大のお気に入りは、デニムのこのキャップ。その日のスタイリングによって、さまざまなサングラスとあわせる様子がたびたびキャッチされている。
個性を楽しむハリーは、ワン・ダイレクション時代から大の帽子マニアとも言えそう。大きく幅のあるブリムが特徴的なウールハットを合わせたステージ衣装は、きっと誰もが見たことあるはず。私服ではレトロシックなムードが漂うベイカーズキャップやキャスケットをたびたび愛用。

The Mega Agency//Afloデニム on デニムのマリンスタイルには、素材をあわせたデニムキャップを相棒に。ミッキーマウスがキュートな「グッチ」のケースを携えて、遊び心たっぷりなトラベルスタイルの完成!

Backgrid//Aflo少しさかのぼって2016年のハリー。細身のスキニーデニムを主役にしたモノトーンコーデをキャッチーに仕上げる、ハットづかいにご注目を。

Backgrid//Afloカート・コバーンを思わせるこの日の出で立ち。交際中のオリヴィア・ワイルドとともに、Tシャツ×ダメージデニムのリンクコーデを披露。
個性を映すデニム選びは、その人のスタイルそのもの。ハリーがたびたび愛用しているのは、父親から譲り受けたようなくたっとしたダメージデニム。そして、デニムに合わせるのはいつだってヴィンテージのTシャツ。ときにカジュアルに、ときにはロックに、ときにはカジュアルにはきこなすデニムスタイルの振り幅はさすが。

Backgrid//Aflo「サンローラン」のサングラスが目を引くこの日も、ヴィンテージのTシャツにダメージデニムを合わせて。

The Image Direct//Afloミントカラーのニットを肩にかけて、カジュアルなデニムコーデをフレッシュに。