誰もが一度は夢見る、リサイクルショップやのみの市での“掘り出し物ジュエリー”との出会い。思わず息をのむような本物の輝きや、知られざる逸品を手にした時の高揚感は何といっても格別だ。どうすれば値札以上の価値を持つジュエリーを目ざとく見つけることができるのか？ ヴィンテージジュエリーの目利きが極意を伝授！
リサイクルショップで取り扱うジュエリーの種類
まずは、セカンドハンドの店にはどのようなジュエリーが置いてあるのか知っておこう。『The Encyclopedia of New York Fashion』の著者ジュエル・エリザベスは、リサイクルショップはジュエリー愛好家にとってまさに金鉱であり、楽しくてカラフルなコスチュームジュエリーはもちろん、さらによく探せばファインジュエリーやヴィンテージのエンゲージリング、デザイナーズアイテムも発掘できると語る。
リサイクルショップに行きつく美しいジュエリーは、誰かのクローゼットから出てきたものや遺品整理で寄付されたものなどだ。「誰もがジュエリーに興味があるわけではないので、家族が希少なジュエリーを手放してしまうこともあります」とヴィンテージジュエリーを扱うオンラインショップ「The Curated Jewelry Box」のオーナー、エイミー・ローズベアは指摘する。
エリザベスはクリップ式やフープ式、スタッド式などのヴィンテージのイヤリングをいつも探している。「それらは一般的に現代のものよりも質が高く、多くが真ちゅう製です」。ネックレスやブレスレットなど定番品に加え、ヴィンテージのリングもよく見つかるという。
ローズベアによるとリサイクルショップで見つかるジュエリーは100年以上たったアンティークよりも、コンテンポラリーやヴィンテージの年代のものが多いという。
リサイクルショップで掘り出し物ジュエリーを見つける方法
1. 素材に詳しくなる
エリザベスは、購入前にさまざまなジュエリーの素材について詳しくなることをすすめている。アメリカ製のジュエリーなら「14K」（14金）や「925」（シルバー925）、ヨーロッパやアジアで製造されたものなら「750」（18金）や「1000」（純プラチナ）といった刻印を見て、本物の貴金属かどうかを見分けられるようになっておこう。
自分が興味を持っている、より特殊な素材の探し方についても知っておくと有利だ。例えば1940年代や'50年代のベークライト製の樹脂製ジュエリーが好きなら、オリジナルのベークライトと復刻版ベークライトの違いを学ぼう。表面を指でこすって摩擦熱を発生させたときに、かすかにカビ臭や化学臭がするなら、オリジナルのベークライトである可能性が高い。
ベークライト愛好家のローズベアは「このテーマに関する本をたくさん読み、多くのコレクターと話をしてきたおかげで本当に目が鍛えられた」と語っている。
2. お目当ての商品を絞り込む
またとない機会をものにするためには、好きなジュエリーの詳細な見た目や歴史について学んでおくことも大切だ。「何を探しているのかを明確にしてください」とローズベアはアドバイスする。彼女は狙っていたエルサ・ペレッティの「ティファニー」のヴィンテージジュエリーを見つけたときのエピソードをシェアしてくれた。
「ほこりっぽいキャビネットの奥で、エルサ・ペレッティの素晴らしいスターリングシルバーのボトルネックレスを200ドルほどで見つけました。いつもお世話になっているジュエリー職人の所に持っていき、少し磨いてもらいました。調べた結果、これは彼女の初期のデザインの一つで、私が支払った金額の少なくとも10倍の価値があることが分かりました」
3. レジ横のガラスケースが狙い目
商品の置かれている場所にも注目。ローズベアいわく、カウンターや棚に置かれた商品よりも、レジ横のガラスケースの中に“より良い商品”が見つかることが多いという。
4. キズや欠けがないかくまなくチェック
素晴らしいアイテムが見つかったとしても、慌てて飛びついてはいけない。「リサイクルショップでジュエリーを探すときは、よく見ることが大切です」とエリザベス。「石が欠けていたり、留め具が壊れていたりといった損傷がないか、必ず確認しましょう。少し時間を取って確認することで、後悔を防げます」
ローズベアは、リサイクルショップに行く際には宝石ルーペを持参することを勧めている。ポケットサイズのこの拡大鏡には照明機能が搭載されているため、宝石のカットや色、透明度、小さな刻印やサインの確認が容易になる。
5. 刻印を探す
エリザベスは、ジュエリーの内側にデザイナーやブランドの刻印があるかどうか探すことを勧めている。「刻印の中には、そのジュエリーが高い価値を持つ可能性を示すものもあります」と彼女。
6. オンラインショップで買う
今日では人気のジュエリーを見つけるために、必ずしも直接リサイクルショップに出向く必要はない。チャリティーショップの「グッドウィル」ではオンラインでジュエリーを販売。即購入できるものや入札可能なものが並んでいる。オンラインマーケットプレイスの「Chairish」 「eBay」、「1stDibs」などのサイトも、アンティーク、ヴィンテージ、ファインジュエリーの掘り出し物を見つけるのに最適だ。
「購入する前に、同等の品物がいくらで売られているか、そして金や銀、宝石の相場がいくらなのかを知っておく必要があります」とローズベア。「私が最後に『グッドウィル』のウェブサイトをのぞいたときには4万ドルのダイヤモンドネックレスが売られていました。『グッドウィル』で見つかるとは誰も予想しないようなものです。驚きでした！」
7. 自由なマインドが大切
最後に、エリザベスはリサイクルジュエリーを選ぶ際には「常にオープンな心を持つことが大切です」とアドバイスしている。「ヴィンテージのジュエリーは一見少し風変わりに見えるかもしれませんが、既成概念にとらわれずに考えることでどのように着こなすか、あるいはどのように再利用するかをイメージできるようになるでしょう」
Translation & Text : Naoko Ogata
