今シーズン、エレガントなスタイルを極めるなら、1960年代のレディライクなファッションがカギ。フェミニンでありながらアクティブで大胆、さらにカルチャーのエッセンスが加わったスタイルは、型にはまらない愛らしいおしゃれとアティチュードが魅力。そんな60年代スタイルをお手本に、今の気分をまとおう。
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ファッションが自己表現の方法に
ファッションの主戦場は、オートクチュールからストリートへ変化。社会同様、形式にとらわれず新しさを求める若者たちが、挑戦的でリアルなエレガンスを目指した。その筆頭がミニスカートの登場。肌を出す女性の姿が、当時はかなりセンセーショナルだった。
リボンルック
カトリーヌ・ドヌーブならではの、ブルジョアジーな品の良さと美しさを引き立てるリボンモチーフ。デコルテや脚を大胆に見せることで、厳粛なレディにとどまらない、ファッション感度の高さをアピール。
ミニスカート
ミニスカートブームの火付け役といわれるイギリスのストリートカルチャー「スウィンギング・ロンドン」の象徴だったツイッギー。ボックス型のミニから、すらりと細長い脚を見せる装いは彼女の代名詞。
スカートスーツ
ビジネスライクなきちんと感が出るセットアップを、半袖ジャケットや膝上丈のスカートで軽やかにアップデート。ベリーショート×スーツのハンサムモードを体現し、注目を集めたミア・ファロー。
つば広ハット&キャットアイサングラス
ジョッキーハットやつば広帽、トーク帽など、帽子がおしゃれを盛り上げるキーアイテムに。オードリー・ヘプバーンのように、フォーマルな着こなし×大きめのキャットアイサングラスが好バランス。
ロングブーツ
当時のミニスカートブームの影響で、60年代にはロングブーツが流行。光沢のあるアウターにニーハイブーツを合わせたブリジット・バルドーは、ファッションに新しい質感やバランスを求めた当時のムードにぴったり。
選択肢が増えたヘアメイク
ツイッギーやミア・ファローの登場により、ショートヘアが女性にとってスタイリッシュな髪型であるという認識が浸透。メイクは目元主義で、上下ともにボリューム満点のまつげやキャットアイ、ダブルラインといったアイラインで遊ぶドーリーフェイスが人気に。
強調したアイラッシュ
ピクシーカットと、つけまつげを駆使したモッズメイクで世界を魅了したツイッギー。
キャットライン
はね上げラインがブリジット・バルドーの小悪魔キャラにお似合い。
ピクシーカット
髪をばっさり切ってイメチェンに成功したミア・ファロー。
カウンターカルチャーの時代へ
人権問題や戦争が激化していた1960年代。不条理な社会に違和感を覚えた若者たちは、既存の価値観や慣習に反発し、新たな文化を求めた。アグレッシブな姿勢を音楽や映画、芸術で表現し、ファッションにも影響を与えた。
ウーマンリブ
「ウーマンリブ」が始まったタイミングでもあり、女性の社会進出や自由の尊重が徐々に認められだした。フェミニズムという言葉が生まれたのもこの頃。
フリースピーチ
表現の自由も60年代カウンターカルチャーの一翼。当時はマスメディアの影響が大きく、雑誌がトレンドの発信源に。
ポップアート
アートとファッションが密接だった'60年代は、カラフルでポップな感性が刺激された。
映画界に新たなムーブメントが誕生
フランス映画において、1960年代を席巻したスタイルが「ヌーベルバーグ」。オールロケ撮影や即興的なストーリー展開など、それまでの常識を覆す手法を使い、作品に個性を吹き込んだ。あえてスターを起用しなかったため、無名のヒロインも数多く登場した。
ヌーベルバーグ
『男と女』(1966年)で主演を務めたアヌーク・エーメ。
巨匠ジャン=リュック・ゴダールに見出されたアンナ・カリーナは、『女は女である』(1961年)をはじめ彼のミューズに。
ゴダール×ブリジット・バルドーの切ない恋愛映画『軽蔑』(1963年)。
'60年代の映画はファッションも必見。『おしゃれ泥棒』(1966年)のオードリー・ヘプバーンもその一人。
色使いが印象的な『ロシュフォールの恋人たち』(1967年)。
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