洗練された職人技と芸術的なビジョンを掲げる、オートクチュールライン「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」が20周年を迎える。2005年のデビュー以来、ぜいたくな素材と精密な仕立て、精巧な装飾で定義され、多くのセレブリティにとってのレッドカーペットでのお気に入りの衣装として、華やかな光景でスポットライトを浴びてきた。20年目を迎える2025年春夏コレクションは、動きと光を捉え、さまざまな文化の要素を融合し、個性的で表現力豊かなワードローブを生み出した。
今季の舞台となるのは、装飾的な漆喰(しっくい)塗りのサロンを備えたパリの拠点、パラッツォ アルマーニ。“Lumières(きらめき)”と題したコレクションにふさわしいその会場で、豊かな装飾のジュエルライクなルックを披露。コレクションノートには、「広い世界を旅し、さまざまな大陸や文化の影響を受けながら、唯一無二の美のきらめきを身にまとったモダンで自由な女性のワードローブをイメージ」したと記されている。
過去のコレクションでは、文化的なテーマを正確かつ繊細に探求したが、今季も例に漏れることはない。旅の産物である、中国の豊かな織物、ポリネシアの水彩画のような色合い、インドの精巧な刺しゅう、日本のミニマルな優雅さからヒントを得て、ほとんど重さを感じさせない軽やかな生地に投影されている。テクニックと素材を最大限に生かし、時代を超越しながらも現代に関連性のあるストーリーを伝える。伝統を尊重しながら、新鮮なアイデアを取り入れてきた「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」らしい内容だ。
基盤となるのは、同ブランドらしいシャープなラインと柔らかなフォルムのシルエット。ゴールドからグレージュ、ブラックとホワイトのモノトーン、淡いピンクへと移り変わるカラーパレットに、鮮やかなアマランス、ブロンズ、ディープブルーがアクセントを添える。クロップドジャケット、ロングドレス、ゆったりとしたブレザーは、仕立てと流動性のコントラストを生み出し、ボトムスは半透明でシルクのようにしなやか。
ロングイヴニングドレス、コート、スカート、イヴニングバッグはすべて、クリスタルとストーンで飾られていた。視線を奪う繊細なヘッドピースは静かな洗練さを添え、刺しゅうと装飾は各ピースの背後にある精巧な職人技を際立たせている。過剰さを避けながらも豊かな質感と思慮深いディテールを取り入れた。まるで宝石がちりばめられたかのような生地は美しく輝き、クリスタルは光を捉えてまばゆいきらめきを放つ。
アートとしてのファッション。そんなアルマーニの信念を示すかのように、生地、光、動きが、自然でありながら計算尽くされた方法で、はかなくも美しい夢を描き出した。20年の歴史をもつ「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」は、エレガンスの明確で正確なビジョンを表現し続け、真の美しさとは光のように時を超越し、永遠であることを証明した。