頑張れば買えるプライスで、気の利いたおしゃれを目指すなら、日本発のブランドが間違いない。なかでも近年、勢いが増す若手にフォーカス。豊富なラインナップから、共鳴できる自分好みを見つけて。『エル・ジャポン』5月号より。
1.タケマル (Takemaru)
おしゃれ賢者が注目する計算された上質感
「タケマル」は、デザイナーの阿部剛丸さんが、パタンナーとタッグを組み、2023年にローンチ。熟練の技が結集し仕立てられたウエアは、立体的なシルエットが美しく、袖を通すことでクオリティの高さをより実感する。着る人それぞれの魅力を引き出す「余白」を意識したデザインも、ツイストを利かせたべージックが基調でトライしやすい。
ミントグリーンのコートは、ウエストや袖口のベルト使いがアクセント。
シアーな生地をたっぷり使ったビショップスリーブがドラマチック。サテンの光沢が加わることでフォーマル感がアップして。
2.フミエタナカ (FUMIE TANAKA)
スタイリングの幅を広げる表情豊かな個性派
前身ブランドの「ザ ダラス」から、2020年に改名。自身の名を冠することで、田中文江さんの世界観や思いをダイレクトに映し出すブランドへ進化した。彼女のクリエーションを象徴するのは、レトロな愛らしさや異国情緒が漂うムード。オリジナリティあふれるアクセサリーも多数手掛けるなど、ファッションを通して喜びや高揚感をもたらしてくれる。
いつものスタイルにレイヤードするだけで、簡単にイメージチェンジがかなう。民族感のあるトップスは、軽やかなコットン地にレースの縁取りを。リボンや花の刺しゅうも愛らしい。
3.リブ ノブヒコ (RIV NOBUHIKO)
クチュール仕込みのグローバルなセンスが融合
ロンドンのセントラル・セント・マーチンズで出会った、韓国人のリバー・ガラム・ジャンさんと、日本人の小浜伸彦さんによるデュオブランド。クチュールの技法でありながら、実際に着たいと思うかを重視し、リアリティのある服づくりに徹する。ビーズ使いやグラフィカルなカッティングなど、装飾主義のディテールが、手に届くラグジュアリーを実現。
ブーケをイメージして、立体的な花モチーフを咲かせたコットンリネンの一着。
アイコニックなくるみボタンのビーズ刺しゅうを散りばめて。ほどよいボリューム感も約束。
4.リヴィントーン (LIVINGTONE)
伝統と革新を両立する新しいデニムのおしゃれ
ディレクターを務める榎本実穂さんのヴィンテージデニム愛が転じて、4年前に誕生。作業着やカジュアルといったイメージを払拭し、「ドレスとしてのデニムトラウザー」を提案する。デニムを使いつつも、あえて5ポケットは作らず、軽いオンスの生地をセレクト。体を美しく見せる縫製と相まって、粗野な魅力のなかにエレガントな雰囲気が漂う。
袖をターンアップさせたキャミとボレロのアンサンブルニット。
幅広の折り返しは、リヴィントーンのシグネチャー。ストレッチは入れず、デニム特有のハリや硬さを堪能。
5.バウト (BOWTE)
女性ならではの「かっこ良さ」を探求
セレクトショップやブランドで経験を積んだ、靱江千草さんによるブランドが2023年春夏にデビュー。メンズウエアへの憧れ、UKロックを中心とした音楽愛、ファッションラバーな両親の着こなしなど、靱江さんのルーツが反映された、ニュースタンダードを構築する。素材は国内外、製造は国内にこだわり、丁寧で妥協のないものづくりを提供。
マニッシュなアイテムを日常着に落とし込んだスタイルが得意。今季はロンドンのファッション・カルチャーや、1980〜90年代のハイファッションを背景に、芯のある女性像を表現する。
6.スドーク (soduk)
身近なスタイルにアウトサイダーな遊び心を
ベルギーへのファッション留学後、「ジャクムス」、「ワイプロジェクト」、「JWアンダーソン」と、気鋭ブランドを渡り歩いた工藤司さん。2018年に立ち上げた「スドーク」は、実験的でインパクトのあるデザインをマス目線に落とし込み、日常に寄り添うリアルクローズを展開する。あえてコンセプトやターゲットを設けず、着る人に解釈を委ねるのもポリシー。目に見えない真実や違和感に焦点をあてた今季。太田莉菜さんのビジュアルも印象的。
タックが大胆に取られたワイドシルエット。タックが大胆に取られたワイドシルエット。
定番のリボン付きジップアップは短め丈が特徴。
7.カナコ サカイ (KANAKO SAKAI)
急成長を遂げる日本のフロントランナー
ファッション好きの間ではおなじみの「カナコ サカイ」だが、ブランドの歴史はわずか4年。N.Y.のパーソンズ美術大学に通いながら修業を積んだサカイさんは、日本の美意識を再解釈し世界に発信する。トレンド感があり親しみやすい一方、生地はほぼオリジナルというストイックぶり。かわいさだけではなく、ほのかな反骨心も随所に感じる所以だ。
愛知県で織ったオリジナルのサマーウールを使用。ミニドレスやトップスとして活躍。愛知県で織ったオリジナルのサマーウールを使用。ミニドレスやトップスとして活躍。
メタリック糸と、それに負けないボタンの光沢が華やか。ダメージ加工によって、エッジのあるスタイルに。
8.ムカサ (MUKASA)
概念にとらわれずデザイナーの内的世界を形に
2022年にローンチした「ムカサ」。テキスタイルへの関心が高く、デザイナーの武笠綾子さんが描いたイラストや、国内で開発した生地を使い、唯一無二のコレクションを発表する。女性目線でとらえたボディラインを生かす工夫も満載で、ウエストのカットアウトや、見せると隠すの緩急をつけたデコルテが、毎日のおしゃれに特別感を添える。
混ざり合う色の様子をプリントで繊細に再現。胸元のシアー素材とのコントラストも目を引く。
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