ファッション好きな女性の中には、ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』を繰り返し視聴するという人も多いはず。そして、おしゃれのヒントにあふれるこの番組を繰り返し見るたびに、キャリー・ブラッドショーの(サラ・ジェシカ・パーカーとパトリシア・フィールドによる)スタイリングに再び夢中になるのだ。
2023年、シーズン6を視聴した人は皆、胸もとにコサージュを飾ることになった。そして今年、自転車乗りのために考案されたやや裾が短い細身シルエットのスラックスで、アメリカ人が“カプリパンツ”と呼ぶ“ペダルプッシャー”に注目が集まっている。
カプリパンツ熱は『セックス・アンド・ザ・シティ』の視聴者以外にも、アレクサ・チャン(フレンチブランド「ルージュ(Rouje)」のレオパードプリントを着用)や「ジャックムス」の2023年春夏ランウェイ(デニム、水玉模様、花柄)にも訪れている。
ファッションECサイトをキュレーションする「Lyst」でもこのトレンドが顕著で、「過去3カ月間で、“ペダルプッシャー”の検索が+26%、“カプリパンツ”が+41%増加しました」との統計が発表された。
カプリパンツの人気は過去70年ほどで変動してきた。イタリアのカプリ島にちなんで名付けられた短すぎず・長すぎずのボトムスは、オードリー・ヘップバーンと彼女のバレエスタイルにインスパイアされ、1950年代から1960年代にかけて人気が上昇。その後、1980年代にもクロップトスーツトラウザーや、ガールズグループのバナナラマのミニスカートにレギンスを重ねたスタイルなどが台頭し、2000年代は膝を露出したセレブリティ(サラ・ジェシカ・パーカーや当時のすべてのディズニー子役など)であふれかえった。
では、2024年にこのトレンドを試す方法は? 筆者は写真家でビデオグラファー、デンマーク版『ELLE』のコントリビューティングエディターであり、すばらしいアウトフィットメイカーであるシドセル・アーリングにそれを聞いてみた。
「私はレギンスとペダルプッシャーのタイトに体を包み込む感覚が好きです。そして常にハイウエストがベスト」とアーリングは、カプリパンツをいかに気に入っているかを教えてくれた。それに合わせてどんなスタイルが良いかについては、「バレエシューズなどの小さな靴で、ヒールは低めがおすすめ。足首を出すことで、脚を長く見せられます」とコメント。
オードリー・ヘップバーンやブリジット・バルドーのスタイルを振り返ると、カプリパンツをどんなワードローブにも取り入れやすく、シンプルでシックなアイテムであることは間違いない。特に、バレエシューズを日常的に履いている人にとっては。
もう少し大胆なスタイルを求める人は、キャリー・ブラッドショーがシーズン4のエピソード7で着用した、しま模様のニッカーボッカーズのスタイリングのスタイリングや、シーズン6のエピソード5で着用したクロップド丈のカーゴパンツをチェックしてみよう。
前述のアーリングもそれに同意している。「次のトレンドはバミューダショートパンツです。私はフランスの市場でフランス人女性がバミューダショーツをとてもシックに着こなしているのを見ました。キャリーが家具屋でエイデンを手伝っているときのスタイルと非常に似ています。そのリファレンスを参考にしてみては?」
それは多くのSATCファンならぱっと頭に浮かぶスタイルだろう。