記事に移動

栄養士が伝授する、ドラゴンフルーツの健康メリット9

毎日食べるのは体にいいの?

By
cut dragon fruit in hand on a white background on a sunny day.
Tatiana Maksimova//Getty Images

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。>>『Prevention』のオリジナル記事はこちら
 
果物といえば、栄養価の高い食品を数多く含む、評価が確立された食品グループ。バナナ、りんご、オレンジ、そしてさまざまなベリー類は、体にいいおやつとしてよく選択される食べ物だ(私自身も、その健康効果を確かめるために2週間毎日ブルーベリーを食べた)。とはいえ、あまり見かけない珍しいカラフルな果物にも豊富な健康効果がある。実際のところ、ドラゴンフルーツには数多くのメリットが期待できる。この独特な見た目の果物は広く流通していないため、その驚くべき味と秘められた健康効果はあまり知られていない。
 
今回は、ドラゴンフルーツの健康効果と、食事に取り入れる方法について栄養士が解説してくれた。

ドラゴンフルーツはどんな食べ物?

pitaya hylocereus undatus (pitahaya or dragon fruit) on the blue background
Yulia Reznikov//Getty Images

ドラゴンフルーツとは、とげのある外皮と、たくさんの黒い種が入った白い果肉をもつ、甘くてトロピカルなフルーツ。少し噛み応えがあり、カクタスフルーツやストロベリーペアーとも呼ばれる。
 
・ドラゴンフルーツの栄養成分
ドラゴンフルーツの可食部100gあたりの栄養成分は次の通り。
 
カロリー:52kcal
たんぱく質:1.4g
脂質:0.3g
炭水化物:11.8g
食物繊維:1.9g

また、おもな栄養素は以下の通り。
カルシウム:6mg
鉄:0.3mg
マグネシウム:41mg
カリウム:350mg
ビタミンC:7mg

ドラゴンフルーツの健康メリット

tropical treat
SrdjanPav//Getty Images

・抗酸化物質を豊富に含む
「ドラゴンフルーツは、ブルーベリーやアサイーのような抗酸化物質が豊富な果物ほど多くの抗酸化物質を含みませんが、強力な抗炎症作用をもたらすベタイン(ビーツにも含まれる水溶性色素)とポリフェノールというユニークな組み合わせを含むのが特徴です。これにより、抗酸化物質が豊富な食事に追加するのに、貴重な食品となります」と、話すのは「カリーナ・ヘルス」の共同創設者で臨床パートナーシップ責任者である登録栄養士のタマル・サミュエルズさん。
また、ドラゴンフルーツにはフラボノイド、フェノール酸、ベタレイン、ビタミンC、ベータカロテン、リコピンなど、多様な抗酸化物質が含まれています、と説明するのは認定栄養士でセレブリティの長寿ウェルネスアドバイザーである栄養士のセレナ・プーンさん。「これらの成分は、フリーラジカルを中和し、老化や心臓病、がんのような慢性疾患と関連する酸化ストレスを軽減します」と彼女は話す。
 
・消化を助ける
ドラゴンフルーツは食物繊維の優れた供給源であり、「消化をサポートし体重管理に役立ちます」と、サミュエルズさんは述べている。
プーンさんもこれに賛成していて、「不溶性食物繊維もプレバイオティクス化合物も豊富に含みます」と話している。そのうえ、ドラゴンフルーツは「有益な腸内細菌に栄養を与え、マイクロバイオームの多様性のサポート」に役立つ炭水化物の一種(オリゴ糖)を含みます、と話している。研究では、腸の免疫に重要な抗体であるIgA値を増加させる可能性が示されています、と彼女は続ける。
 
・炎症を抑える
ドラゴンフルーツに含まれる栄養素であるベタレインとスクアレンは、慢性炎症を抑える効果が期待できます、と述べるプーンさん。「これらの天然の植物化合物は、炎症を引き起こす酵素を抑制し、関節、脳、代謝の健康をサポートします」とプーンさんは説明する。

ADの後に記事が続きます
dragon fruit
marhero//Getty Images

・心臓の健康を促進する
ドラゴンフルーツの定期的な摂取は「より良い脂質プロファイル、つまりLDL(悪玉)コレステロールおよびトリグリセリドの低下、またHDL(善玉)コレステロールの増加に関連しています」とプーンさんは述べている。ドラゴンフルーツは心臓の健康にいいマグネシウム、カリウム、食物繊維を含み、これらは血圧の調節や動脈のプラーク蓄積の減少に役立つ可能性があります、と彼女は説明している。
 
・血糖値の管理をサポートする
プーンさんは、ドラゴンフルーツの食物繊維と「固有のポリフェノールが、健康的な血糖値のコントロールをサポートします」と述べている。また、ドラゴンフルーツを摂取することで、インスリン感受性が改善され、空腹時のグルコース(血糖値)が低下し、HbA1c(3ヶ月間の平均血糖値を測定する検査)も低下する可能性が研究で示されています、と彼女は語る。
 
・骨の強化をサポートする
ドラゴンフルーツは、ほとんどの果物よりも多くのマグネシウムを含むことから(アメリカの推奨摂取量の約18%)、骨の健康をサポートする可能性がある。2022年の系統的レビューでは、マグネシウムの摂取量が多いほど、首および骨のミネラル密度が高いという関連性が示された。実際、同じ系統的レビューでは、4つの研究によるメタ分析で、マグネシウムの摂取量と股関節の骨ミネラル密度との間に有意な正の関連性が示されたという。

mature woman looking in bathroom mirror
Westend61//Getty Images

・血液の流れを保つ
鉄分は、世界でもっとも一般的な栄養欠乏症の一つ。アメリカでは約1,000万人が鉄分不足と考えられており、女性に見られることが多く、毎日の鉄分摂取量のほとんどが肉、魚、ナッツ、豆類から摂取されている。一方で、ドラゴンフルーツは、鉄を豊富に含む数少ない果物の一つで(アメリカの推奨摂取量の8%)、ヘモグロビンの生成に不可欠な鉄を豊富に含んでいる。ヘモグロビンは、赤血球が体内の組織に酸素を運ぶのを助ける。
 
・肌の健康をサポートする
「ドラゴンフルーツは、水分量が多く、コラーゲン合成と肌再生に不可欠なビタミンCが豊富です」と説明するプーンさん。「ドラゴンフルーツの抗酸化物質は、紫外線や環境ストレスから肌を守るのに役立ちます。水分が豊富で抗炎症作用があるので、定期的に摂取することでニキビや赤みといった肌トラブルを落ち着かせる効果も期待できます」
 
・水分補給に役立つ電解質を含む
高い水分含有量とマグネシウム、カリウム、カルシウム(すべて天然の電解質)を含むドラゴンフルーツは、食べる水分補給として最適。「これらのミネラルは、筋肉機能、神経伝達、活力全体にとって必要不可欠です」とプーンさんは語る。

ADの後に記事が続きます

よくある質問

white dragon fruit.
enviromantic//Getty Images

・ドラゴンフルーツは毎日食べてもいい?
はい、と答えるサミュエルズさん。「ドラゴンフルーツを毎日食べることは一般的に安全であり、バランスの取れた食事の一部としてメリットがあります」と彼女は説明する。「ただし、どの食事法でも同じですが、多様性が重要になります。異なる果物をローテーションすることで、より幅広い栄養素を摂取できます」
プーンさんもこの意見に賛成で、この果物は「低カロリー、高食物繊維、マグネシウムやカリウムのような抗酸化物質とミネラルも豊富です」と話している。
 
・ドラゴンフルーツに副作用はある?
この果物にアレルギーのある人は、当然ながら避けるのがベスト。とはいえ、食事計画にドラゴンフルーツを加える際は、ほかにも注意すべき点があるという。「ドラゴンフルーツは食物繊維が豊富で、ソルビトールのような糖アルコールを少量含むので、一度に大量に摂取すると、一部の人は軽い消化不良を経験する恐れがあります」とプーンさんは述べる。そのため、ドラゴンフルーツを食べたあとに、腹部膨満感や「下痢」が起こることは珍しくない。「さらに、腎臓病が進行している人は、ドラゴンフルーツに相当量のカリウムが含まれる点に注意してください。これはほとんどの人にとって有益ですが、重度の腎機能障害がある人は摂取量を監視する必要があるかもしれません」


translation : Yumi Kawamura photo : Getty Images

ADの後に記事が続きます
Page was generated in 1.5862090587616